お願い!大泣きしないで…
これは、現在4歳の息子が1歳になったばかりのときのお話です。当時、息子は私の職場のすぐ近くの保育園に通っていたため、私は平日毎朝、通勤ラッシュの時間に息子を抱っこひもに入れて地下鉄で通勤していました。地下鉄に乗ると、息子は音にびっくりするのかぐずることが多く、大泣きすることもありました。
息子が大泣きして泣き止まないときは、周りの迷惑を考えていったん途中下車し、息子が落ち着いたころに再度地下鉄に乗る、ということをしていたので、私は心の中でいつも「お願い、大泣きしないで……」と思っていたのです。
見知らぬ女性が息子に!?
ある朝、いつものように私が息子を連れて地下鉄に乗ると、数分後にまた息子がぐずぐず……。私が「これ以上泣くようなら、次の駅でいったん降りようかな」と思いながらドア付近に立っていたところ、30代くらいの通勤途中と思われる女性が近づいてきました。
その女性は、息子に見えるように「いないいないばぁ」やおもしろい顔をしてくれ、それを見た息子は次第に笑顔に。女性は「すみません、かわいくてつい構いたくなっちゃいました。お母さん、子育て頑張ってますね」と声をかけてくれたのです。私は、息子の顔が女性からよく見えるように抱っこの角度を変え、「ありがとうございます」と返しました。
当時の私は、育休が明けて仕事復帰をしたばかりで、そんな状況の中、息子を連れて電車通勤していたので、心身ともに疲弊していました。夜泣きも続き、子育てに自信がなくなっていた時期だったので、女性が息子をあやしてくれたことはもちろん、私にも「子育て頑張ってますね」と声をかけてくれたことで、私自身がとても救われた出来事でした。
著者:吉川 みきな/女性・主婦。14歳女の子と4歳男の子、0歳の年の差兄弟を育てている母。反抗期の娘とイヤイヤ期の息子の育児に日々奮闘中。上の子を出産後に大学に通い、看護師の資格を取得。現在は看護師としてパート勤務をしている。
作画:ぐら子
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています