ある日、もっつんさんは小学校の授業参観と学級懇談会のあと、担任の先生と話し、タクくんの普段の問題行動について謝罪します。先生は「お母さんは何も悪くないですよ」と、あたたかい言葉をかけてくれました。
そして先生から「よかったら」と、スクールカウンセラーの案内が掲載されたプリントを渡されたもっつんさん。一度スクールカウンセラーに相談してみようと思い、申し込むことに。
スクールカウンセラーは、髪の毛はボサボサで、表情はニコニコ、ホワホワした雰囲気の花雲(かうん)先生。臨床心理士として非常勤大学教授もしている花雲先生は、もっつんさんとタクくんが安心して学校生活が送れるようにサポートすると話してくれました。
さらに、「大丈夫ですよ。これからいくらでも伸びます。いや、伸ばします。絶対良い方向に進みますよ」と心強い言葉をかけてくれて……。
もしかして、タクの中には理由がある?
※訂正:(誤)出世→(正)出生
※訂正:(誤)タク産まれは→(正)タクが生まれたのは
(誤)極低体重児→(正)極低出生体重児
タクくんが生まれてからこれまでのこと、そしてもっつんさんが抱えている、さまざまな悩み……。花雲先生は静かにやさしく聞いてくれました。
そして「タクくんが脱走する理由って、なんだと思いますか?」と質問されたもっつんさん。
「教室から抜け出す理由について、タクの気持ちになって考えていなかったと、ハッとしました」ともっつんさんは振り返ります。
ひょっとしたら、タクくんの中に理由があるのかも……。もっつんさんはもう一度、タクくんに理由を聞いてみることに。
こうして、初回のスクールカウンセリングはあっという間に終了したのでした。
客観的な立場で話を聞いてくれる花雲先生。ママ友がいないというもっつんさんにとって、いろいろな悩みを打ち明け、相談できる貴重な時間となりました。
忙しい日々の中で、子どもの言動について深く考える余裕がなくなってしまうことも多いのではないでしょうか。花雲先生が言うように、子どもの行動の裏にある“理由”をじっくり考えたり、確かめたりすることで、子どもが何を考えているのかが具体的に見えてくるのかもしれません。
監修/助産師 松田玲子