夫は妻に、「お前からも言って! ウチじゃよくあることなんだよ」と助けを求めますが、義妹に触発され、妻も本音がこぼれます。
「私、今まであなたの盗み食いを許したこと、一回もないよ? ただ、ムダだって失望してただけ。本当に恥ずかしい。義妹ちゃんが言ってくれて、客観的にどう思われてるかわかったでしょ」
そして、お互いの夫の“食いつくし行動”を言い合い嘆く、妻と義妹。その様子を見て、やっと反省の色を見せた夫と義弟は、食べてしまったお菓子の代わりをスーパーに買いに行き、改めて息子に謝罪しました。
すると、「いいよ! でも、おばちゃんにも謝ってね。おばちゃんが買ってきてくれたやつだから」と大人な対応を見せた息子に夫は……。
息子の言葉をきっかけに、成長する夫
息子の言葉に、考え込む様子を見せた夫は……。
そんな出来事から、しばらく経ったある日。
夫に染み付いた“食に対する執着”は、そう簡単に拭い切れるものではありません。しかし、妻が指摘すると、以前のように開き直ったり、反論することはなくなった夫。自分で考えて、改善しようとする様子が見られるようになりました。
「これパパにあげる! みんなで食べた方がおいしいんだよ!」
夫からの謝罪の印にもらったお菓子を、夫に分けようとする息子。妻や義弟、義妹、おじいちゃんやおばあちゃんにもあげるというのです。
「今まで、食ったやつが偉くて、食べたら食べた分、得したような気分になっていた」という夫。息子の言葉で、考えに変化が……。
「そうだな。みんなで分けて食べよう」
これまで妻が何と言おうと、聞く耳を持たなかった夫の口から「みんなでわけよう」という言葉が出たことで、妻は安堵していました。
そんな出来事から、しばらく経ったある日。会社から「息子とママと食べようと思って」とお菓子を持ち帰ってきた夫。
「ほんと変わったよね! 義妹ちゃんと息子のおかげかな」
笑みがこぼれる妻に、改めて謝罪する夫ですが、いまだに食に対する執着は残っているそう。
「やっぱり周りから見るとみっともないってわかったからさ、気をつけないと」
夫なりに努力を続け、妻が指摘しても、以前のように開き直ったり反論したりすることはなくなりました。
たくさん悩み、怒り、時間はかかりましたが、家族で楽しく食卓を囲めるようになり、妻は幸せを感じるのでした。
息子や義妹からの言葉をきっかけに、考えを改めた夫。妻以外からの指摘で事の深刻さに気づいたかたちになりましたが、これまで夫を見捨てず、根気強く付き合ってきた妻がいてこそのハッピーエンドですよね。
単に“食欲旺盛”なのであれば、まったく問題なかったこと。夫の場合、周りの気持ちを考えられない、“身勝手な食欲”で、家族を苦しめていました。食に関すること以外でも、家族で過ごす毎日には、お互いを思いやる気持ちが必要不可欠ということを、改めて考えさせられますね。