明美(あけみ)は夫の史郎(しろう)と共働きで暮らしています。息子を溺愛している義母は、しっかり稼いできてくれる夫がいるのに働き続けている明美が気に入らない様子。結婚当初から明美に嫁いびりをしています。明美が史郎に助けを求めても、義父の不倫が原因で離婚して以来、女手一つで育ててくれた義母には頭があがらないようで、史郎は穏便に済ませようとします。そんなある日、謎の手紙がポストに入っていて……。
子離れできない義母
結婚当初から、息子を溺愛する義母の嫁いびりが続いていてストレスが溜まっている明美は、その状況をなんとかしてほしいと史郎にお願いました。しかし、「様子を見てほしい」と言う史郎……。
物理的に距離ができれば少しは変わるかもしれないと思い、引っ越しを史郎に提案すると、ようやく「しばらく家に近寄らないように言う」と約束してくれたのですが……。
ポストに入っていた謎の手紙
ある日、明美は朝から義母に連絡をしていました。なぜなら、今朝ポストに『お前の悪事は知っている』という気味の悪い手紙が入っていたからです。手紙はどう見ても義母の書いた字……。過去に明美のダメなところを手紙にまとめて渡してきたこともあり、すぐにピンときたのです。
「やだ、怖い。あなた何かしたの?」と最初こそしらばっくれる義母。しかし、筆跡からお義母さんが書いたと思っていると伝えると、「そんなに真剣に読んで、反省することが沢山あったのねw」と開き直りました。
そして義母は、手紙の真意を主張してきました。「息子の稼ぎで暮らせるというのに共働きをするなんて。明美には妻として夫を支える気がない。世界で一番大切な息子をもっと大事にしてほしい」と。義母は、夫が家事をしていることも気に入らない様子。何を言っても無駄だと思った明美は、義母の言い分を聞くだけ聞いてその場を終えました。
しかし、この手紙がきっかけで思いもよらない事実が発覚するのでした……。
突然謝ってきた夫…
テーブルに置いておいた手紙を読んだ史郎が、驚いて「初めて届いたのか」と明美に聞きました。明美は、似たような手紙が度々届いていることを伝えます。そして「嫌がらせとして警察にそろそろ相談するべきかしら」と言いました。すると……。
「ごめん!」
突然謝ってきた史郎。
「ごめんなさい、本当にごめんなさい」
「不倫じゃないです、遊びだったんです」
「たまたまマッチングサービスで意気投合しちゃって……」
「俺、別れるつもりだったんだ」
「そしたら奥さんにバラすって言われて……」
「なんの話?」
手紙は義母の仕業だと話すと、史郎は慌てて「今の話はウソ!」と言い出しますが、それはあまりにも苦しい言い訳。ときすでに遅しでした。
夫の不倫を知った明美は離婚を決意して、家を出ました。溺愛する息子とまた暮らせるようになった義母は大満足。しかし、離婚に至った原因は知らない様子です。明美は、離婚の原因は史郎の不倫であることを義母に伝えました。すると義母は、「浮気や不倫を絶対にしないように史郎に教えてきたから、史郎が破るはずはない」と信じません。そこで明美は、自宅にある証拠のやりとりや不倫相手と一緒に撮った写真を見るよう義母にありかを教えました。
その後、息子の不倫を知った義母は明美の味方になり、明美は慰謝料などをもらって離婚。不倫相手からも慰謝料が支払われました。一方、史郎はというと、不倫を憎み激怒する義母と、遊びのつもりだったのに別れてくれない不倫相手との関係が悪化して泥沼に。ヤバイ人たちから離れられたことに心からホッとする明美でした。
愛情の形は人それぞれですが、義母の溺愛は、息子をゆがませてしまったようです。家事をさせる嫁を怒るのではなく、夫婦で協力することの大切さを息子に教えていれば、こんなことにはならなかったのかもしれませんね。