40代・50代女性が気を付けたいのは「大腸がん」
「正しい排便習慣」が、予防策として治療ガイドラインに明記されているがんがある、と里村先生は言います。
「便秘や下痢が症状の一つとなるのは、大腸がんです。
女性がかかるがんのうち、大腸がんは乳がんに次いで2位と多くなっています。死亡原因では1位です。
大腸がんは良性のポリープががん化するものと、正常な粘膜から直接発生するものの2種類がありますが、約85%は良性のポリープから発生しています」(里村先生)。
初期では痛みがほとんどない
女性がかかるがんで死亡原因1位と聞くと怖くなりますが、もっと怖いのは、大腸がんが初期ではほとんど痛みが感じられないということ。
「大腸の粘膜の表面には知覚神経がなく、痛みが感じにくくなっています。便が通るたび痛みや違和感があっては不快だからです。
そのため、ステージⅠまでは痛みがほとんどないことで放置してしまう人も少なくありません。また、大腸がんの主な症状は血便ですが、痔などと思い込んだり、気が付かなかったりして受診しない方もいらっしゃいます」(里村先生)。
大腸がんは早期発見が重要!
早期に治療すれば「治りやすいがん」の一つ
しかし、大腸がんを必要以上に恐れる必要もないと里村先生は言います。
「大腸がんは数あるがんの中でも進行が遅いという特徴があります。ポリープががん化するのは1cm以上になった場合で、5mm以下ならがん化しにくいと言われています。
大腸がんは早期に治療すれば『治りやすいがん』の一つです。がんが粘膜下層の浅い部分にとどまっている早期がんなら、治療後の5年生存率は9割以上で、ほぼ完治が見込めます。しかも、早期なら負担の軽い内視鏡治療で済みます」(里村先生)。>
大腸がんの早期発見の方法は?
年1回の「便潜血検査」が大切!
自覚症状がないのに早期発見をするのは難しそうです。どのようにして見つけ出すのでしょうか?
「早期発見には、年1回の健康診断や人間ドックでおこなう『便潜血検査』が大切です。
『便潜血検査』は便の中に血液があるか調べる検査です。 普通は便の中に血液は混ざっていないため陰性ですが、血液があると陽性になります。高精度で大腸がんをスクリーニングできます。
『便潜血検査』は任意なので、スルーしてしまう方もいるようですが大腸がんは40代以降から増加する病気です。40代を過ぎたら必ず年に1回は受けてほしいと思います」(里村先生)。
まとめ
皆さんは年に1回の「便潜血検査」を受けていますか? 便秘や下痢の人は指定された日に出なくて提出できなかった、ということもあったのではないでしょうか。後日郵送に対応する病院がほとんどなので、必ず受けるようにしたいもの。特に便秘や下痢に悩む人は必ず受けるようにしましょう。
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