
昼は息子の育児、夜は娘のために病院へ
退院後、私は日中に家で息子の面倒をみて、夜に夫が帰宅すると搾乳した母乳を娘に届けるため総合病院へ行きました。私はNICUで見た衝撃的な光景を忘れることはないでしょう。そこにはたくさんの保育器が並び、中には複数の管につながれた赤ちゃんや非常に小さな赤ちゃんがいました。
わが子を前に笑顔の親もいれば、泣いている親もいます。また、看護師さんたちは赤ちゃんたちをよく見回り、常に1人以上の医師が駐在し、厳戒態勢がとられていました。
夜中に新しい赤ちゃんが大勢のスタッフに囲まれて入ってきて、「頑張れ」と励まされながらさまざまな処置をされ、部屋全体がピリピリした雰囲気に包まれたこともあります。私はそこにいながら、「ドラマや漫画のシーンにそっくりだなぁ」とぼんやりと感じていました。
親の代わりを務めるスタッフたち
私が一番驚いたのは、スタッフの赤ちゃんたちへの対応です。スタッフさんたちは、可能な限り赤ちゃんを抱っこして哺乳びんで母乳を飲ませていました。また、メリーやガラガラなどのおもちゃで赤ちゃんをあやし、細かくお世話をしていました。
「今日はご機嫌だね」「たくさん飲めたね」と、やさしく赤ちゃんに語りかける姿はまるで本物の親のようです。また、哺乳量や検査結果の数値などを毎日細かく先生が説明し、私たち親の不安を取り除くために今後の予定や治療方針を話してくれました。
退院日が近付くと、家で赤ちゃんの受け入れ態勢はできているか、さりげなくヒアリングし、保育器に空きがあれば退院日を1~2日融通してくれるなど、とても親切でありがたかったです。
幸いにも、娘は特に問題なく約2週間で退院することができました。しかし、何も問題なく退院できたのは、丁寧な看護をしてくれた看護師さんたち、日々、神経をとがらせながら娘を診てくれた先生たちの存在があったからに違いありません。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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監修/助産師 松田玲子
著者:長谷川 なぎ
4回の体外受精の末に男女の双子を授かった、2児の母。営業事務やコールセンターのオペレーター、イベントスタッフ、工場ワークや物流会社での肉体労働など、学生時代からさまざまな職種を経験。現在は、多彩なジャンルでライターとして活動中。