しかしそんなある日、息子から夫が浮気しているという話を聞かされた加奈子は、隙をついて、夫のスマホをチェックすることに成功。それ以降、夫に嫌味を言われても、何も反論しなくなってしまったのでした。
それから数日後、夫の会社の懇親会が開催されることになり、加奈子は夫と参加することに。会場へ着き辺りを見回した加奈子は、オレンジ色のワンピースを着たひとりの女性に視線を向けていました。その女性がトイレに行ったタイミングで、その後を追った加奈子。
メイクを直す女性に話しかけ、軽く自己紹介を済ませると、「好きですか?夫のこと」と質問。さらに、「やめておいたほうがいいと思いますよ?」と付け加え、家ではモラハラ夫であるということを話すと、女性は「私には紳士的でやさしいです!!」と反論。しかし、女性は加奈子の反応を見ると、慌てて「あくまで仕事上での話ですけど!!」と付け加えたのでした。
反論する女性に妻は…?
「なんか!!奥さんとはいえ言い過ぎかなって!!」
「私は佐々木さんのことを尊敬してるので、
あんまりいい気分にならないっていうか!!」
「わざわざ後輩の私に言わなくても
いいことじゃないかなって思うんですけど!!」
顔を引きつらせながら、
女性は加奈子に反論したのです。
しかし、加奈子は貼り付けた笑顔のような表情で、
何も言わず……。
「と、とにかく!!何か勘違いされているようですけど、
あくまでただの後輩ですので!!」
そう言うと、
その場を立ち去ろうとする女性。
「私は……忠告しましたからね」
女性の去り際に、加奈子はそう伝えたのでした。
◇ ◇ ◇
「奥さんとはいえ言い過ぎかなって!!」と、反論し始めた女性。言い方には極力気を付けている節が見られますが、所々の発言に刺が感じられ、夫のことを侮辱する加奈子に対してイラ立っているのが伝わってきます。女性の言う通り、わざわざ彼女に話す内容でもないと思うのですが、きっと加奈子は何らかの意図があって伝えたのだと思います。しかし、表情をひとつも変えない加奈子の表情を見ると、何を考えているのかさっぱりわからないですね……。