マッチングアプリで出会ったのは
マッチングアプリを始めて数日、毎日大量にくるメッセージに慣れてきたころ、私はある男性と出会いました。彼の外見は正直タイプではなかったのですが、年収の高さに魅力を感じた私は、彼のことが気になっていきました。
基本的な情報はプロフィールに記載してあったのですが、彼は20代後半とまだ若々しく、収入も申し分なく未婚。彼への第一印象は「なぜこんな人がマッチングアプリを利用しているんだろう」というものでした。
メッセージのやり取りをしていくうちに、会話が弾み、彼のほうから「結婚を前提にお付き合いをしたい」と言われました。
「実際に会ってデートをしたい」とも誘われましたが、マッチングアプリ自体を少し否定的な目で見ていたこともあり、少し怖くてすぐには答えを出せませんでした。
彼から送られてきたもの
私の中で1番不安だったのは、マッチングアプリで知り合った相手と実際に会って、相手に流されて一夜限りの関係になってしまわないか、ということでした。
そこで私は、彼に正直な気持ちを告げることにしたのです。もしかしたら「めんどくさっ」と思われて、返信がこなくなるかもしれないなと半分諦めモード。
すると彼から送られてきたのは、運転免許証と健康保険証の写真でした。彼は「逃げも隠れもしないよ? 何かあったときはこれを証拠にすればいいじゃん!」とでも言いたかったのだと思います。
最悪な末路
それから彼と私は付き合うことになり、両家へのあいさつも済ませて入籍を目前にしていたころ、驚きの事実が判明します。
彼は私に苦労させたくないからと「これ以上働かなくていいよ!」と言ってくれていました。「入籍後は専業主婦になってゆっくり生活してほしい」という彼の希望で私は会社を辞めることに。さらに、「お金は僕が全部払うから!」と言われたことで、お金の管理を任せるためにクレジットカードや通帳、印鑑などを渡してしまっていて……。
私は彼のことを信じ切っていたのですが、家族や友人は、彼の発言や行動を不審に思ったようです。彼の健康保険証から勤め先を割り出したのですが、確認したところ彼はその職場では働いていないということが判明。
彼が嘘をついていたことがわかり、私は急いで役場へ向かいました。幸いにも、婚姻届を提出する前だったのですがサインと押印をしてしまっていたため、役所に事情を話し、婚姻届を提出されても受理しないよう申請しました。
彼に証拠を突きつけて、使われてしまっていたお金は返済してもらいましたが、甘い言葉や情報に惑わされてすべてを失ってしまうところでした。当時は落ち込みましたが、大好きな家族や友人に囲まれて、今は幸せに暮らしています。
著者/月野 結
イラスト/マメ美
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