ふくこさんが毅然と「大事なものを守るために、しかるべき手続きを踏む」と伝えたところ、「はいはい、ウチが悪かったですっ! どーもすみませんでした!」と言い残して、Sさんの母は子どもを引きつれて立ち去ってしまい、根本的な解決には至りませんでした。
その後、ふくこさんの長男・ハルくんから「休みを挟んで平日も2〜3日、ケイを連れて、ばあちゃんちに行くのはどうかな?」と、ケイくんの心をケアするための新たな提案が。
実は、Sさん家族に泣かされてしまった数日後から、ケイくんは就寝中に突然何かを叫ぶようになり、夜驚症の症状に悩まされていたのです。
弟思いなハルくんは、そんなケイくんを心配し、物理的に学校から距離を置くことを考えたのでした。
ハルくんの提案どおり、ケイくんと次男・ツトムくんを連れて、ふくこさんの実家に泊まりで遊びに行ったところ……。
数日間の穏やかな日々
※「オンブズマン制度」:市民から寄せられた市政・区政に関する苦情について、公正かつ中立的な立場から簡易迅速に処理し、市民の権利利益の擁護を図る制度。
数日という短い間でしたが、のびのびと遊び、ふくこさんに思いっきり甘えられた子どもたち。ふくこさん自身も、元教師の母に話を聞いてもらったり、兄に相談したりすることができました。
「昔の自分なら、全部ひとりで背負い込んでしまっただろうけど、以前、悩み事があったときに『こういうときは、ひとりで背負い込むな』と兄に言われたことがあり、甘えさせてもらいました」と振り返るふくこさん。
Sさんの兄とのトラブルがあって以来、夜になるのが怖い日々が続いていましたが、ふくこさんの実家で過ごした1日目の夜以降、ケイくんが叫ぶことはなかったそうです。ふくこさんもケイくんも、ようやくゆっくり眠れて本当によかったですね。
今回のことを振り返り、「起こった事案を正確に記録しておくこと」が、どの機関に介入してもらうにしても重要だと学んだふくこさん。今も、自身の対応が正解だったのか悩むこともあるものの、ひとまず平和な毎日を取り戻しつつあるとのことです。
トラブルに巻き込まれないで生きていきたいものですが、人生は何が起こるかわかりません。ふくこさん一家のように、もしトラブルに巻き込まれてしまったとき、誰に相談すればいいのか、どう行動すればいいのかを事前に知っていると、気持ちに余裕を持つことができるでしょう。
万が一に備えて、具体的な相談先や自治体の制度などを調べておくと安心ですね。