空港で夫が…
結婚後初めての家族での海外旅行はハワイでした。新型コロナウイルスの影響で、ずっと延期にしていた旅行だったので、私たちはもちろん義両親もとても楽しみにしてくれていました。
旅の始まりは空港だったのですが、義両親は高齢なので、歩くペースがゆっくり。さらに、パスポートを探したり、出国に際する用紙を道の真ん中で取り出してみたりと立ち止まることもしばしば。
すると、普段は温厚で声を荒げることのない夫が「端に寄りなさいよ!」「そこで立ち止まらないでよ!」と怒って、大声を出したのです。
夫の気持ちに共感したワケ
普段、夫は温厚な性格。だからこそ、声を荒げる夫を初めて見て私は驚いてしまいました。ただ、私は夫の行動に対して少し共感もあったのです。過去に自分も両親に対して激しい怒りの感情を抱いたことがあったなと思って……。
私には、両親と早くに離れなければいけない事情があり、実の両親との思い出は子どものころの記憶しかありません。そんな中に、公共の場で他人に迷惑をかける両親に対して、幼いながらに他の誰にも感じたことのないような激しい怒りを感じた記憶があります。現在の自分が、あんなに激しい感情を他人に抱くことはないと思います。
夫と義両親との関係性はすこぶる良好ですが、「たしかに、人の迷惑にもなってしまいそうな場面だったし、血が繋がった家族だからこそ激しく意見を言えることもあるのかな」と、改めて感じたのです。
私にできることをしよう
とはいえ、旅行が険悪なムードになるのも嫌だったので、私は極力フラットな感情を保つことにしました。血の繋がりがない私だからこそ、義父母と夫の間をいい感じに取り持つことができるかもしれないと思ったのです。
なにかとイライラしている夫の隣にいると気が滅入りそうだったので、私は義父母の後ろについて一緒にゆっくりと歩くことに。そして人の迷惑にならないように誘導しながら、「自分たちのペースでいいからね」と義父母を気づかいました。
義父母は、私のおだやかな様子に安心したのか、焦ることなく空港内を移動できたようでした。夫は、そんな義父母と私の様子を見て反省したようで、「君がいてくれなかったら出国もままならなかったよ。本当にありがとう。そしてごめんね」と言ってくれました。
旅行で垣間見えた、普段は見ることができない夫の「息子感」が新鮮でした。また、そんなとき妻として、私にできることもあるのだと発見することができました。結婚後、初めての家族旅行が最高の思い出になったのでよかったです。
著者/つちやです
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