出産後、産院に通っていたゴリ。表向きはいい父親を演じて、その実わが子へのご祝儀を狙っていました。別れるつもりでいたサキさんですが、ガマンも限界。即、警察に電話してお金の盗難と車のことを通報。もともと違法なことをやらかしているゴリはすぐに捕まります。
一方、サキさんはカトリックの産院で「子どもは親を選んでくる」という話を教えられます。ほかのお母さんたちがその話に勇気づけられる中、わが子に里子という可能性も考えているサキさんはひとり思い悩んでいました。
大変なこともあるけど自信を持って。立派に育てていけるから
退院の前日、サキさんの赤ちゃんを取り上げてくれた副院長が来てくれ、自身の生い立ちを話してくれました。貧しい家庭の三兄弟の真ん中として育ったものの、勉強を頑張っていた副院長に祖母がお金を出してくれて医者になれたという話でした。
この産院では、サキさんのような複雑な事情を持つ人や不妊治療を受けた人など、出産に難を抱える人には、カトリックの教えにより出産費用を援助しているとのこと。
その後、今度は院長の妻が訪れ赤ちゃんかわいいよねと話しかけてきました。もちろん、わが子がかわいくないわけがないですが、サキさんには引っかかっていることがありました。
「本当にこの子は私の元に来たかったんですかね?」
母ひとり、お金にも余裕がないサキさんには不安しかありません。最初は中絶しようとこの病院にやって来たことを知っている院長の妻は、それでも堕ろさなかったことがすべてだと言い、その言葉にハッとします。
改めて里子の話を尋ねられたサキさんは「育てたい」と答え、すべてを見通していた院長の妻はそう言うと思ったよあなたは立派に育てていける、だから自信を持ってと励ましてくれました。
また、サキさんの長女が面会に来ていた様子を見てさらに安心したと語ります。
「大丈夫」その言葉がサキさんを温かく励ましてくれました。
◇ ◇ ◇
「5日間はお母さんと子どもだけで過ごして」
「5日間は赤ちゃんにだけ愛情を注いでほしかった。お母さんなら手放したくないと思うはずだから」
個室なのに家族と過ごすのもNGという理由はここにありました。出産にはサキさんのようにさまざまな事情を抱えたお母さんがいるけれど、まず最初の5日間は赤ちゃんだけに向き合ってほしいというこの産院の方針でした。不安をいっぱい抱えたサキさんですが、向き合った時間を振り返って育てたい意志が固まりました。頑張ってほしいですね。
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