義父が倒れてしまった
ある日、義父が急に脳梗塞で倒れ、2週間後に亡くなりました。義父は今まで大きな病気をしたことがなく、最後に会ったときもお酒を飲んでとても元気そうでした。そのため、義父が倒れたと聞いたときは本当に驚きました。悲しみに暮れるなか、みんなで義父を送り出すことに。とても慕われていた義父でした。
初七日のときのこと。親戚のひとりが「義父が所有していた不動産はどうするの?」と義姉に聞きました。すると義姉は「もちろん、誰がもらうかはもう決まってる」と答えたのです。しかし、そのときはまだ遺産相続の話は家族の間で出ておらず……。義父はたくさん不動産を所有していたので、遺産相続で揉めるのではないかと、嫌な予感がしました。
突然のことだったので、義父は遺言を残していません。遺産について家族で話し合いをすると、義姉は「私が長女だし、今まで義父の近くに住んで世話をしたから、一番価値が高いアパートは私がもらう」と主張。しかし夫も義弟もそれはおかしいと反論し、話し合いはこう着状態になってしまいました。そしてこの日以降、義家族の関係は悪化し、お互い連絡を取らない状態になったのです……。
遺産が原因で…
このことがきっかけで、子どもたちは大好きな祖母に会えなくなってしまいました。これでは子どもたちがかわいそうだと思った私は、義母に会いに行ってもいいか連絡すると義母から「他人は黙ってて。どうせあんたが遺産相続のことで息子に悪知恵を吹き込んでいるんでしょ」と言われてしまったのです。
義母は孫のことには一切触れず、話すのは遺産のことだけ。穏やかだった義母の性格が変わってしまい、私はとてもショックを受けました。
その後、遺産相続の話は裁判にまで発展し、義家族同士で顔を合わせることなく、最終的には義姉の希望通りの分配となったのです。しかし、義姉は希望していた不動産を得た1年後に急死。
その後も、義姉の夫と子どもも巻き込み、永遠に遺産相続についてのトラブルが絶えません。もともと仲が良かった義家族ですが、遺産が原因でここまで関係が悪化するとは思いもしませんでした。
義父が残した遺産をめぐり、義家族の争いは裁判にまで発展。嫁である私は「他人」と言われてしまい、まったく介入できないまま、いまだにいざこざが続いています。仲が良い家族でも、お金で憎しみ合うことがあると思い知らされたので、わが子たちが争わないようにできる準備をしておこうと思っています。
著者/山田絵里
作画/赤身まぐろ
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