つらい症状=更年期とは限らない
「40代、50代の女性は何かつらい症状があると更年期症状や加齢のせいにしがちです。しかし、そこには思わぬ病気が潜んでいることがあります。まずは病気の可能性をできる限り否定し、その上で更年期症状や加齢を疑ってほしい」と駒形先生は言います。
この症状は何の病気?
以下の症状は、ある病気のものです。
・ 生理不順
・ 冷え症、低体温
・ 暑がり、多汗
・ うつっぽい
・ イライラする
・ 動悸がする
・ 貧血
・ むくみやすい
・ 体重が急に増える、または激減する
・ やる気が湧かない
・ 物忘れしやすい
・ 疲れやすい、体が思うように動かない
・ 眠気を感じやすい
・ 皮膚がかさつく
・ 便秘がち
・ 頻便
・ 眠気を感じやすい
・ 皮膚がかさつく、かゆみがある
・ 声がかれる
・ 足がつりやすい
「ここに挙げたのは甲状腺異常による症状の例です。どの症状が出るかは病気によって異なり、個人差があります」(駒形先生)
上に挙がっている症状は、誰もがよく感じやすそうなものばかりに見えます。甲状腺とは何なのでしょうか?
甲状腺とは?
女性ホルモンと似た甲状腺ホルモンを分泌
「甲状腺とは、甲状腺ホルモンを作り、分泌する臓器です。甲状腺ホルモンは主に体の代謝を調整する働きをし、女性ホルモンと似た働きをします」(駒形先生)。
【甲状腺ホルモンの働き】
・ 筋肉の維持・強化
・ 心臓の働きを活性化
・ 思考や反応を活性化
・ 新陳代謝の促進、体温調整
・ 脂質代謝を上げ、コレステロールを下げる
・ 糖代謝を促進
・ 骨量を上げて骨を強化
「脳において、甲状腺に指令を出す部分と卵巣に指令を出す部分は隣り合わせになっています。甲状腺が狂うと生理も狂い、生理が狂うと甲状腺も狂いやすくなる。2つのホルモンはとても関係が深いのです。生理不順や無月経、不妊の原因を調べる過程の血液検査で甲状腺ホルモンの異常が見つかることも多いです」(駒形先生)。
自分でできる見分け方は?
首の前をチェック
血液検査で甲状腺の異常はわかるということですが、「だるい」「疲れやすい」だけで受診や検査を受けるのはハードルが高いことも。
「甲状腺異常の代表的な症状は首の前の腫れやしこり。先に挙げた症状があり、首の前の喉あたりが腫れていたり、触れてみてしこりがあったりするときは更年期症状ではなく、甲状腺異常が原因の場合があります。
内分泌内科や甲状腺外来など、専門外来を受診すると血液検査やエコーで詳しく調べてもらえます」(駒形先生)。
まとめ
つらい症状があったら我慢でしないで、まずは医師に相談してみることが大切です。甲状腺異常の原因は今のところ解明されていないということですが、遺伝は一因とされています。親族に甲状腺の病気を持つ方がいる場合は、定期的に検査をしたほうが良いということです。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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