千尋は会社員の夫・雅文と暮らす共働き夫婦。息子大好きの義母から嫌われており、結婚当初から嫌味を言われたり、仲間外れにされたりしています。
そのことを何度か雅文に相談していますが、まともに取り合ってもらえず……。いつもヘラヘラと笑って流されてしまいます。仲が良いとは言えない義母から、珍しく家族旅行のお誘いがきたのですがーー。
都合のいいときだけ呼び出される
仕事から帰宅して入浴の準備をしていた千尋のもとに、自分だけ義母たちとの食事会に参加している雅文から連絡が入ります。用件を聞くと、あと1時間後に迎えに来てほしいとのことでした。義母たちを送るつもりで車で行った雅文ですが、お酒を飲んでしまったため、千尋を呼び出したようです。
義母と顔を合わせたくないので代行かタクシーで帰ってくるように伝えますが、食事会に誘われずに拗ねていると誤解される始末。すでに酔っぱらっている雅文は、千尋が気を使わなくていいように自分だけ行っているなど都合のいい主張を繰り返しました。
義母からのお誘いで旅行…!?
1週間後。義母からカニやカキ、ウニなどの食材がぎっしり詰まった荷物が届きました。雅文に報告すると「今夜はそれで夕飯作ってよ!」とご機嫌。しかし、千尋は心から喜べません。なぜなら、義母に荷物のお礼を言うために連絡した際、「息子に送ったものだから、勝手に食べないでね」と言われてしまい……。
雅文は、「母さんは俺のことが好き過ぎるw子離れできてないだけだから、黙って一緒に食べればいい」と笑いながら話します。千尋は真剣に相談しているのに、いつも適当に流してかばってくれません。さらにーー、義母に気に入られたいなら愛想よくしたほうがいいなどと言ってきます。
そんな話をしていたとき、雅文から来月の連休に家族旅行をしようと提案が。どうやら今回は、義母が千尋も一緒にと言っているようです。なぜだろう…?と疑問を抱きつつも、せっかくの機会なので行くことにしました。
結局のところ仲間外れ!?
迎えた旅行当日。みんなで車に乗っていく予定でしたが、千尋は駅にいました。
義父母の荷物が多くてトランクに入りきらなかったため、千尋が座る予定だった助手席を使うことになり、千尋だけ電車で現地へ向かうように言われたのです。雅文は「急にごめんな」なんて謝っていますが、たった2泊3日の旅行でトランクに収まりきらない量の荷物を持って行くなんて信じがたく、嫌がらせだなと千尋は悟りました。
しかし、計画どおり千尋を置いて出発しようと思った雅文は、あることに気づきます。
「おい、車の鍵は?」
「私のポケットの中」
「は?」
せっかくの旅行だというのに、最初から台無しにされてしまった千尋。すぐに戻ってこいと大騒ぎしている雅文に、車を使わず自力で来ればいいと言い放ちました。結局、雅文と義父母はなんとか旅館に到着したのですが、すでに別の旅館で予約を取り直した千尋はそこにおらず、ひとり旅をゆっくり満喫しています。
自分の予約をキャンセルするついでに全員分の予約をキャンセルしておいたので、旅館へ着いたのに泊まる宿がない雅文たちは激怒。ですが、どれだけ怒られてもまったく気になりません。離婚を決意した千尋にとって、これ以上関係が壊れたとしても全く影響はないからです。「離婚」という言葉が出てきたことで、初めて事態の深刻さに気付いた雅文。色々と言い訳を並べて千尋のご機嫌を取ろうとしますが、時すでに遅し。義母の味方をしてきた雅文は、もはや敵です。
ひとり旅を楽しんだ千尋はそのまま実家へ。雅文たちは、何時間もかけて代わりの宿を見つけたようですが、最初のプランとはかけ離れた旅になってしまい、楽しめなかったようでした。怒り狂った義母の対応で、雅文は疲労困憊の旅になったらしく、げっそりとした様子で千尋の実家に足を運んで謝罪をしてきたのでした。
雅文の離婚したくないという言葉は本心のようで、義母の制止を振り切って毎日仕事終わりに千尋の実家へやってきて謝罪を続けました。今後、千尋は義母と一切関わらない事を約束し、次に今回のようなことがあれば即離婚という条件で家に帰ることに。その対応が気に入らない義母は、雅文に怒りの連絡を入れ続け、最終的に雅文と義母の関係は断たれてしまいました。
こうして、ストレスの原因から解放された千尋。心を入れ替え、率先して家事をやるようになった雅文と平穏に暮らしています。もう一度だけ夫を信じて、お互いを思い合える家庭を築こうと思っています。
義母が子離れできていないだけではなく、夫も親離れができていなかったようですね。夫は途中で自分の言動が間違っていたことに気がついたようですがーー。これからは、再構築を選んでくれた千尋を悲しませないよう、思いやりのある行動をとってほしいですね。