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義母「嫁は雑用係だから」私「いつの時代の話?」田舎ルールを押し付ける親族に反論!他の嫁たちも加勢して!?

私が夫と結婚して間もないころ、義父が急に亡くなりました。結婚のあいさつを済ませたばかりで、義父との関わりはそれほど多くありませんでしたが、とても穏やかでやさしい方で、短いながらも大切な思い出がありました。

しかし、その別れをきっかけに、私の生活は大きく狂い始めたのです。

田舎ルールを強要する義母

義父が亡くなってまもなく、義母は私たち夫婦に向かって突然こう言い出しました。

「これからは、あなたたちが私の面倒を見てちょうだい!」

 

急な話に驚きましたが、義母の気持ちもまったく理解できないわけではありません。長年連れ添った伴侶を失い、これからひとりで暮らしていく不安や寂しさ。私だったら、と想像すると胸が痛みます。

 

ですが、それとこれとは別の問題です。夫婦として新しい生活を始めたばかりの私たちに、いきなり同居というのはあまりに重すぎる決断でした。

 

夫と一緒に丁寧に断ろうとしたのですが、義母の兄弟姉妹や親戚から「長男夫婦の責任でしょ」「それが当たり前」と言われ、逃げ道を失ってしまいました。

 

悩んだ末、私たち夫婦は義母と同居を始めることに。しかし、そこから“田舎のやり方”の押しつけが本格化していったのです。

 

夕飯を用意すれば、「うちの田舎では、食卓いっぱいに料理を並べるのが常識」と指摘され、私の作る量では足りないと文句を言われる始末。

「3人しかいないんですから、そんなに作っても食べきれませんよ」と言っても、「田舎ではね、残るくらいがちょうどいいの。完食できる量なんて、足りないということでしょ? それはむしろ恥なのよ!」と返されました。

 

すべてに「田舎ではこう」「昔からそうだから」と言われ、私はだんだん疲れ切っていったのです。

 

 

「一緒に田舎に行ってほしいの」

そんな生活が1カ月ほど続いたある日、仕事から帰宅した私に、義母がにこやかに話しかけてきました。

「今度、田舎で法事があるの。一緒に手伝ってくれない?」

 

夫はその日どうしても仕事を休めず、私だけが付き添うかたちになります。

迷っていると、義母が少し寂しそうな表情を浮かべて言いました。

「あなたにも私の故郷を見てほしいの。自然がきれいで、人もあたたかいのよ。きっと気に入ってもらえると思う」

 

その言葉に、ついほだされて「行きます」と返事をしてしまった私。

翌週末、私は義母と一緒に田舎へ向かいました。

 

 

嫁は雑用係!? 想像以上の洗礼

義母の実家に着くと、家の中は法事の準備で慌ただしく動いていました。親戚の女性たちがせわしなく座布団を運んだり、台所で料理の仕込みをしていたり……。

 

初めての場所で、私はどこにいればいいのかも分からず、入り口付近で立ったまま様子をうかがっていました。

 

すると義母がこちらに歩み寄ってきて、私の耳元でこう言ったのです。

「ここでは嫁は“雑用係”よ。来たからには田舎のやり方に従ってもらうわ。わかったら黙って働きなさい」

 

唐突な言い方に一瞬たじろぎましたが、最初は「また義母が大げさなことを言ってるだけだろう」と思っていました。

 

しかし、次の瞬間――周囲の親戚の女性たちが私に対して口々にこう言ったのです。

「そうそう、嫁が一番働くのが当たり前」
「うちじゃ昔からそうなの。あなたもちゃんとやってもらわないと」

「黙っていないで、すぐ動きなさい」

 

義母だけじゃなかった……。ここでは、本当に全員が“嫁=雑用係”という前提で動いていることがわかり、一気に血の気が引くのを感じました。

 

それでも私は、そんな理不尽な押しつけに黙って従うつもりはありません。

 

 

嫁たちの反論が、空気を変えた

「雑用係って、ひどいですね。いつの時代の話ですか? 手伝いに来ましたけど、そんな不当な扱いは受け入れられません」

 

一瞬、空気が静まり返りましたが、年配の女性が「姑に逆らったら、村中で噂されて外も歩けなくなるよ」と言い放ち、場の空気はまたピリッと張り詰めました。


“やっぱり通じないか”と諦めかけたそのとき――

 

「……でも、言ってることは正しいと思います」

私と同世代くらいのお嫁さんが、ためらいがちに口を開きました。

「ずっと黙って従ってきたけど、正直、うんざりしてたんです」

 

それをきっかけに、別の若いお嫁さんも訴え始めます。

「“当たり前”って押しつけられるの、もう限界です」
「古い慣習に縛られ過ぎじゃないですか?」

 

お嫁さんたちの反論が、場の空気をじわじわと変えていきました。

 

 

年配女性たちの“本音”と義母の葛藤

すると、その言葉に耳を傾けていた年配の女性のひとりが、ぽつりと漏らしました。

「……本当はね、私たちももう、こういうの終わりにしないとって思ってたのよ」

「でも、自分たちも耐えてきたことだから、下の代にも同じようにって……そうしなきゃいけないって、思い込んでたのかも」

「私たちの代で終わらせるべきだったわよね……」

 

それでも義母は、顔をこわばらせながら言い返しました。

「私たちだって我慢してきたのよ! 嫁はそういうものだって、みんなそうしてきたじゃない!」

 

しかし、若いお嫁さんたちは揺らぎません。

「だからこそ、終わらせなきゃいけないんです。これ以上、誰かに同じ我慢をさせる必要なんてないですよ」

 

沈黙の中、義母は目を伏せ、そして絞り出すように言いました。

「……そうね、古い考えに縛られすぎていた私が悪かったわ。これからは、みんなで協力してやっていきましょう」

 

その言葉に、場にいた女性たちはホッとしたような空気になり、それぞれが自然と準備作業に戻っていきました。

 

義母も、そのあと私のところに来て小さな声で「ありがとう。今までごめんなさいね」と言いました。

 

思いがけず、田舎の古い慣習に風穴を開けることになった今回の出来事。私は、自分の言葉が少しでも誰かの背中を押すきっかけになったのなら、ここに来た意味があったと思えたのでした。

 

 

その後、義母との関係も少しずつ変わっていきました。昔ながらの価値観が抜けないところはまだありますが、以前よりも歩み寄ろうとしてくれるようになり、今では一緒に笑い合える時間も増えています。あの日、勇気を出して声を上げて本当によかったです。

 

 

※本記事は、実際の体験談をもとに作成しています。取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。

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    ライターベビーカレンダー編集部/ママトピ取材班

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