なぜ目の前に虫のようなものが見える?
40代以降で多い「飛蚊症」
目の前に浮遊物が見える場合、どんな原因が考えられるのでしょうか。
「生理的要因と病的要因の可能性が考えられます。
圧倒的に多いのは生理的要因で、約9割を占め、「飛蚊症(ひぶんしょう)」と呼ばれます。
飛蚊症とは
「目には、硝子体という部位があり、ゼリー状になっています。硝子体は、加齢などで成分が変化して委縮することで液状になります。すると硝子体が濁ってその影が網膜に映り、視野の中で黒い点のように見えるのです。
見えるものは以下のような形状が多いです。
・ 虫状
・ 糸くず状
・ ごま状
・ カエルの卵状
・ たばこの煙状
近視が強いと20代、30代でも見られますが、加齢が一因なので多くは40代以降に見られます。ただ、誰もに見られる症状というわけではありません。また、まれですが生まれつきと言う場合もあります」。
まれに網膜剥離である場合も
「確率としては低いですが、網膜剥離の場合もあります。浮遊物が見えたあと、突然“黒い点の量や範囲が急に増えた”“暗い場所で突然稲妻のような光が見える”“急に視力が低下した”“視野の一部分が欠けている”といった症状が見られます」。
受診したほうが良い?
一度検査をしておくと安心
「生理的要因なのか、病的要因なのかは検査してみないとわかりません。病気が隠れている可能性はゼロではありませんので、受診することをおすすめします。
ただ、飛蚊症には今のところ有効な治療法がありません。目薬や飲み薬も効果がありません」。
気にならなくなるケースが多い
「一度できた硝子体の濁りが完全に消えることがありませんが、視野の中心からずれることも多いです。また、明るい場所や青空などを見るときは出るもののそれ以外は気にならなくなる、慣れていく、ということも多いです」。
慣れるためにできることは?
1.浮遊物を見ないようにする
「明るい場所でたくさん浮遊物が見える場合は、ピントを合わせないようにするのも方法です。また、全般に言えますが気にし過ぎるとストレスになります。受け入れて慣れていくこともストレス回避には有効です」
2.サングラスやブルーライトカットグラスをかける
「明るい場所では、どうしても浮遊物が見えやすくなります。目に入る光を減らすことで見える浮遊物を減らしてみても良いでしょう」。
3.しっかり休息を取る
「目を使い過ぎたり、体が疲れていると目の調節機能が落ちて浮遊物が見えやすくなることもあります。しっかり休息を取って目の健康を保つことも大切です」。
まとめ
痛みやかゆみなどがないためについ放置しがちな飛蚊症ですが、一度検査をすると安心です。紫外線が強い季節は特に気になるかもしれませんが、日傘やサングラスといった紫外線対策が飛蚊症対策にも。自然に慣れていくことが一番の治療法のようです。
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※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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