ある日の帰りの電車で、同じ車両には数人しか乗客がいないにもかかわらず、もちこのすぐ隣に見知らぬ男性が座ってきました。「他のところ空いてるのになぁ」と違和感を覚えますが、すぐ逃げたほうがいい状況だとは思わず、そのまま座っていたもちこ。
すると、あろことかその男性は、触っているかいないか微妙な触り方で、もちこの体に触れてきたのです。
「怖い! 泣く……! でも泣いたらもっと怖いことになるかもしれない……」と、涙をこらえながら次の駅で下車。降りたことのない駅でしたが、なんとか改札まで行くと……。
母に本当のことを話せず…
※訂正:(誤)伺って→(正)うかがって
駅を出ると目の前は人の多い商店街。人に紛れ、駅のほうをうかがいながら商店街を一周しました。男性の姿が見えないことを確認し、安心したもちこは、お母さんに迎えに来てもらおうと公衆電話から電話をかけます。
「えーっと……○×駅のところにいるんだけど……」
「え!? ○×駅!? なんでそんなとこに!?」
驚くお母さんに、「な……んか……、その……えっと……降りちゃったっていうか」とごまかしながら話すもちこ。
本当のことを話せずにいましたが、母に迎えに来てもらい、無事に家へ帰ることができました。
その後、結婚して子どもができたもちこですが、未だにそのことをお母さんに話せていないそう。
痴漢に遭ってからずいぶん時が経ちましたが、小学生の間は思い出すたびにモヤモヤしていました。
「私の勘違いだったのかも?」
「服の端っこが当たっていただけかもしれないし……」
いろいろな考えを巡らせていた、小学生時代のもちこ。
「あんなん100%痴漢だわ!!」
しかし、あれは子どもを狙った悪質な痴漢行為であったと、大人になったもちこは確信。
「卑怯な手で傷つけて……」
「怖い思いをしても言えないような子がほとんどだよ! 他にも小さい子が被害に遭っていた可能性が高くない!?」
大人になったもちこは、当時の出来事を思い出し、憤るのでした。
電車で起きた怖い体験を母に話せなかったもちこ。思いもよらない突然の出来事で、痴漢被害に遭ったという確信が持てなかったのでしょう。大人に言いづらい気持ちはよくわかります。
最寄り駅より少し手前の駅で下車し、母に電話をかけたもちこ。子どもがいつもと違う行動をとったときは、何かの合図なのかもしれませんね。皆さんは幼少期、怖かったことや動揺したことで、親に話せなかった出来事はありますか?
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