パニ子は30歳の専業主婦。夫のトオヤと娘と一緒に新築一軒家に引っ越してきたばかり。引っ越してすぐ、家族3人で菓子折りを持って近所に挨拶まわりをしました。
隣の家にはハルミという親切なおばあさんが、息子夫婦と住んでいました。家族ぐるみで仲良くしていきたいと感じたのですが……。
近所に住む、要注意人物
ある日の朝、駐車場でとある女性に声をかけられました。その女性はカンナ。先日挨拶まわりで出会ったハルミの嫁でした。カンナは、初対面のパニ子に姑・ハルミの悪口を言い始めたのです。悪口ばかりで気分が悪くなったパニ子は、カンナには気をつけようと思いました。
数日後の蒸し暑い日、パニ子は庭で娘とプールをして楽しんでいました。遊び終えて着替えを済ませたあと、プールを片づけようと庭に出ると、カンナが垣根の間から腕を突っ込み、プールを掴んでいるではないですか……!
カンナは「お庭でプールいいわねぇ! ちょっと借りようと思って」と言い出しました。驚いたパニ子は「勝手に持って行こうとしていたんですか? 窃盗ですよ!?」と言ったところ「ふんっ! ケチッ!」と叫び、家に戻っていきました。
玄関に女性の靴が……
数日後、パニ子は実家を訪れて母と激辛煎餅を食べていました。パニ子と母は辛い物が大好き! 好きすぎて自家製の激辛デスソースを大量に作り、空き瓶にストックしています。
実家から帰宅すると、玄関にトオヤの靴と女性のサンダルが。パニ子が家に入ると、トオヤが「カンナさんがパニ子に用事があるから、家にあがらせてくれってさ!」と言ってきました。出張に行っていたトオヤに、カンナの盗み癖を伝えていなかったことを激しく後悔……!
他人の冷蔵庫の中を勝手に物色
慌ててリビングに行くと、なんとカンナが冷蔵庫をあさっていたのです! 「カンナさん! 何しているんですか!?」と問い詰めると、「人の家の冷蔵庫って気になりません? そんな怒ることないじゃないでしょw」と反論。
そのときパニ美はカンナのカバンに、パニ子がまとめ買いしている高級はちみつの瓶がたくさん入っているのを見つけました。「うちのはちみつですよね? 盗ったんですか?! 返してください!」と言うと、カンナは逆切れして家を出て行きました。
隣の家から叫び声が……!
カンナが帰ったあと冷蔵庫の中をチェックすると、手作り激辛デスソースが無くなっていることに気づきました。ちょうどそのとき、隣の家から叫び声が聞こえてきたのです!
慌てて外に出ると、ハルミが涙目になってカンナに怒っています。理由を聞くと、はちみつだと思ってカンナがハルミに渡したソースが激辛だったとのこと。パニ子が激辛デスソースを入れて保管していたはちみつの瓶を、カンナが盗んで行ったことが発覚したのです!
カンナは慌てて謝罪しましたが、時すでに遅し。「人様の家から物を盗む嫁なんぞいらん! 出て行け!」とハルミに家を追い出されました。
人の物を盗む隣人の顛末
事情を知ったカンナの夫は、普段から育児も家事も全くしないカンナに愛想を尽かしていて、この盗難事件が決定打となり離婚を宣言。カンナは親権も失い、もともと実家からも絶縁されていたため、夫とハルミに家を追い出されて行き場を失くし、その日暮らしの困窮した生活を送っているとのこと。
一方、パニ子はこの事件をきっかけに、近所のママ友たちからの温かい言葉に支えられ、仲良くなりました。また、すっかり激辛デスソースの魅力にはまってしまったハルミとは、レシピを教えるほどの間柄に♪ カンナとの出会いは衝撃的でしたが、それがきっかけとなって多くの良い知人に恵まれ、幸せに過ごしているパニ子なのでした。