家計を改善するには固定費の見直しが大切であることを何度かお伝えしていますが、最近では、格安スマホ(MVNO,格安SIM等の名称も同様です)に切り替えて通信費を削減したいとご相談される方が増えてきました。
筆者も昨年秋に格安スマホに切り替えて、従来の携帯料金をほぼ半分に削減できました。細かい情報はインターネットなどでの検索や格安スマホを運営している会社のホームページ等を参照していただければと思いますが、おもなメリットと注意点をお伝えしていきます。
利用頻度の多くない人は料金を下げられる可能性が高い
メリットはやはり料金が安くなることです。
格安スマホは大手通信会社より安い料金になりそうなことはなんとなく分かると思いますが、ほとんどの場合、基本料金とデータ料金が安くなっています。例えば、ある大手通信会社では、基本料金1700円・2GBの通信料金が3500円(合計5200円)ですが、ある格安スマホの会社では、基本料金と3GBの通信料金がセットになったプランの料金は1600円でした。
しかし、通話料金は別途掛かりますので、かけ放題のプランが無い格安スマホと、大手通信会社でかけ放題プランにする場合を比較すると料金が逆転することもあります。 通話や通信の利用が多くない方は格安スマホに向いていることが多いのですが、家計相談でお話をさせていただくと、独身の時期に比べて結婚後や子育て中は、スマホを利用する頻度は増える人より減る人の方が多い印象があります。
いずれにしても検討する場合は、ご自身の利用状況と料金の比較をしっかり行うようにしましょう。
細かいデメリットがいくつかあります
料金が安くなってデメリットが無ければ誰でも利用した方が良いと思いますが、少なからずデメリットがあります。すべての格安スマホに当てはまるわけでないこともありますが、主なデメリットは以下のとおりです。
1. 携帯メールのアドレスが引き継げない
2. 店舗が少ない
3. 通信速度が遅くなる
4. 家族割引等のプランが少ない
1. は大手通信会社のメールアドレスにある、@の後の○○○.ne.jpは携帯会社を切り替えると引継ぎができませんので、新たなアドレスを設定するかgoogle(gmail)やyahooなどのフリーメールに切り替える必要があります。
2. は通信会社によって差があり、店舗数が大手とあまり変わらない会社もある一方、店舗ではなく、インターネット・電話でのお手続きをし、書類やSIMカードを郵送でやりとりするところも多いです。結果、初期設定を自分で行うケースもあるので、戸惑う人も少なくありません。
3. は時間帯や回線を使用する人数にもよりますが、混雑しているエリアではインターネットのアクセス速度が遅くなることもあります。
4. は料金プランをシンプルにする傾向から、家族割引等の各種割引やオプションなどがあまり多くありません。 上記のデメリットはあくまでも一部です。また、そのデメリットがあっても料金と比較して受け入れられるかどうかはそれぞれの考え方にもよりますので、何を優先すべきか考え比較しましょう。
筆者自身は1のアドレスが変わることに抵抗感もあったのですが、今後も携帯会社を変更しやすいように、フリーメールのアドレスを設定し、やり取りをしている人たちに周知をしました。半年ほどたった今では、特に問題なく使えています。
なお、一部の格安スマホ会社では、サービスをとりやめ別の通信会社へ切り替えるように案内する会社も出てきています。料金だけでなく、今後の対応などもどうなるかを考えて選ぶようにしましょう。その上でご自身に合う形のものが見つかれば、格安スマホへ切り替えて固定費の削減を図ってください。
1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP。独立系FP事務所・株式会社とし生活設計取締役。教育費・老後資金準備、税や社会保障、住宅ローンや保険の見直し、貯蓄・資産運用等、多角的にライフプランの個別相談を行うとともにセミナー講師として活動しています。