こんにちは!助産師のREIKOです。女性の社会進出や経済的な問題、それぞれの価値観の変化など、さまざまな要因により晩婚化が進んでいます。それに伴い、出産年齢も上昇し、不妊治療をおこなうカップルも増えてきています。不妊の原因はさまざまです。今回は、「男性不妊」についてお話ししたいと思います。
「男性不妊」とは?
世界保健機構(WHO)が不妊の定義を変更したことに伴い、日本産婦人科学会でも、「不妊症は妊娠を希望しているカップルが1年以上性生活を送っていても妊娠しない状態。生殖年齢の男女が妊娠を希望し、ある一定期間、避妊することなく通常の性交を継続的に行っているにもかかわらず、妊娠の成立をみない場合を不妊という。その一定期間については1年というのが一般的である」と、不妊症の定義が変更されています。
その際、男性側に不妊の原因がある場合を、「男性不妊」といいます。
男性不妊の原因は?
精巣で精子がつくられ、つくられた精子が放出されるまでの過程のどこかが障害されることによって、男性不妊となります。
主な原因は、精子をつくる機能に障害がある、精子の通り道に障害がある、性機能(性行為、射精など)に障害がある、精巣や前立腺などの炎症による影響などがあげられます。そして、男性不妊の80~90%は、精子をつくる機能に障害があるケースだといわれています。
男性不妊かな?と思ったら
女性の場合は、産婦人科をイメージできるかと思いますが、それでは男性は何科を受診したらいいのでしょうか?
男性不妊の検査は、精液検査と泌尿器科的な検査になります。パートナーと一緒に産婦人科を受診して、その後、泌尿器科に……といわれる場合と、最初から泌尿器科へといわれる場合と、施設によってさまざまです。受診前に確認しておくと安心ですね。
男性不妊の治療の流れ
先ほどお話ししたように、男性不妊の原因の多くは、精子をつくる機能に障害があるケースです。ですので、精液検査を最初におこないます。精液検査では、精液を採取し、精液の量や精子の濃度、数、運動率、奇形の有無などを検査していきます。
精液検査で異常が認められた場合、泌尿器科での検査などをふまえ、タイミング療法、人工授精、顕微授精など、不妊治療の方針が決まっていきます。また、内分泌の異常や精巣静脈瘤、停留精巣などの疾患が原因の場合は、泌尿器科での治療、性機能障害がある場合は、メンタルクリニックでのフォローが必要になる場合もあります。
不妊治療を開始し、短期間で妊娠できるカップルもいる半面、長期にわたって治療をするカップルも少なくありません。お互いの考えをきちんと話し合い、理解し、どうしていくのか選択していく必要があると思います。お互いを思いやる気持ちも大切ですね。
医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。