「双子だ!」と走ってきた高齢の女性
ある日、双子用ベビーカーに当時6カ月の双子の姉弟を乗せてスーパーで買い物をしていると、前から「双子だ!」と大きな声を出して駆け寄ってくる高齢の女性がいました。
私は、「走ってまで来る人は初めてだ」と女性の行動に少し違和感を覚えました。女性が、「赤ちゃん見てもいい?」と聞いてきたので、私は断る理由が思い浮かばず、「いいですよ」と答えたのですが……。
女性のとんでもない行動にあぜん
最初、女性は「かわいいね」「いくつなの?」など話をしていましたが、だんだんと「住所はどこ? あなたたちのフルネームは?」と、個人情報を執拗に聞いてくるように。私は恐怖を覚え、適当に話をはぐらかし、その場を去ろうとしたときです。女性が、素早くスマホを構え、子どもたちを無断で撮影したのです。
私はすぐに、「写真を撮るのはやめてください! 消してください!」と怒りましたが、女性は私を無視したのです。しかし私も引き下がらずに消去するよう求め続け、女性は渋々、子どもたちの写真を消去。女性は何も言わず、逃げるように去っていったのです。
突然の出来事に驚き、怖がっていた子どもたち。私が見ていいと許可したせいで、子どもたちに怖い思いをさせてしまい後悔しました。育児中に、さまざまな人に声をかけてもらえるのはとてもうれしいことです。しかし、違和感を覚えた時点でもっと警戒しておくべきだったと反省し、今でも思い出すと悔しくなります。
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イラスト/ななぎ
著者:長谷川 なぎ
4回の体外受精の末に男女の双子を授かった、2児の母。営業事務やコールセンターのオペレーター、イベントスタッフ、工場ワークや物流会社での肉体労働など、学生時代からさまざまな職種を経験。現在は、多彩なジャンルでライターとして活動中。