久々の健康診断にドキドキしながら病院へ
出産前までの私は会社員をしており、年1回の法定健診は欠かすことがありませんでした。結果はいつもほぼオールA。子どもを持つ前までは、自分の健康状態に根拠のない自信がありました。
36歳で出産後は、職場復帰を目指して育休を取得。しかし、夫が遠方へ転勤になったのを機に、会社を退職することに。以降、社会保険から国民健康保険へ、さらに夫の被扶養者となってことで社会保険へ……と切り替えが続きました。健康保険の切り替えのタイミングや育児の忙しさも相まって、健康診断を受けないまま気付けば3年が経過。そんな時に届いたのが、久しぶりの健康診断受診の案内です。40歳の誕生日を3カ月後に控えた、39歳の夏でした。
早速予約を取り、健康診断を受診するために総合病院へ向かいます。3年ぶりなので少し緊張しましたが、基本の健康診断に続いて血液検査や内診、各種がん検診……とスムーズに検査は終了。その日のうちにわかる検査結果はすべて正常値で、ひとまず安心して帰宅しました。
後日届いた検査結果には思わぬ内容が…
7月下旬に総合病院で健診を受けてから3週間ほどたったころ、ちょうどお盆の直前に自宅のポストに検査結果の封書が投かんされていました。封書を手にすると、なんとなく中に分厚い書類が入っているような感触が。開封する間、胸騒ぎとともに体に緊張が走り、手にもうっすらと汗をかいていました。
早速、診断結果の一覧ページを開くと、目に入ってきたのは乳腺の欄にある「要精密検査」の文字。乳がんマンモグラフィー検査の結果、左胸上部に腫瘤(しゅりゅう)の疑いがあり、再検査が必要とのことでした。それを見た瞬間、一気に全身の血の気が引くような感覚に襲われた私。
すぐに、案内に記載されていた乳腺外科のあるクリニックに予約の電話をしました。しかし、翌日から世間はお盆休み。「なるべく早く検査してほしい」と伝えると、再検査は約1週間後のお盆明けすぐに受け付けてもらえることになりました。
そして、夏前から楽しみにしていたお盆休み。予定通り子どもを連れて実家に帰省しました。子どもはもちろん、両親にも心配をかけたくないため、移動中に夫にだけ再検査になったことを伝えました。私は気持ちが沈んでしまい、ずっとモヤモヤしたまま。楽しいはずの家族そろっての帰省なのに、何をしていても私だけ心ここにあらず……といった感じでした。
帰省している間、何度もスマホで「乳がん 再検査」のワードを検索しました。そこには、マンモグラフィー検査受診者のうち約8%が要精密検査と判定され、さらに精密検査受診者のうち、実際に乳がんと診断されるのは約4~6%との情報が。つまり、精密検査が必要であっても「異常なし」や「良性で治療を必要としない」場合が多いということです。しかし、そんな楽観的な情報も、「私は3年も健康診断を受けずにいた」という事実にかき消され、ネガティブな感情から逃れられませんでした。
検査結果を待つ時間が途方もなく長く感じて
お盆休みが明けた日、子どもを幼稚園へ送ってから再検査へ。この日は朝から落ち着かず、車のハンドルを握る手も緊張していました。健康診断時のマンモグラフィー検査とは異なり、今回は最初に超音波(エコー)検査を受けることに。
薄暗い検査室に入ると、検査技師が丁寧にエコーを当てていきました。すると、「念のため別の技師も見させていただきます」と言って交代したのです。私の心はますますざわつき、不安はピークに。2名の技師に見てもらった後、検査は終了しました。
「待合室にてお待ちください」と言われ検査結果を待つ間、良くないことばかりが頭の中をよぎります。「きっと何かあったから2人がかりで確認したんだ」「3年も検査しなかったから、もしかしたら進行しているのかも」「私がいなくなったら、夫や娘はどうなる?」そんなことを考えていると、待ち時間が途方もなく長く感じました。
ようやく自分の番号が呼ばれ診察室に入ると、伝えられた検査結果は「陰性」。マンモグラフィー検査で映り込んだ腫瘤のようなものは、正常なリンパ節の一部だったようです。その場でほっと胸をなで下ろしました。
まとめ
健康診断で「要精密検査」の結果を目の当たりにすると、不安な気持ちでいっぱいに。「もし、自分が病気になってしまったら」と考えると、自分の体のことだけでなく、家族とのこれからの生活のことなど、心配事は尽きません。
今回、私は3年ぶりの受診だったこともあり、頭をよぎったのは、悪い結果や「毎年受けていれば……」という後悔の念ばかり。40歳を目前に、健康について改めて考えさせられる出来事でした。健康診断は毎年必ず受診し、体調に不安があれば検査に行こうと心に誓いました。
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