絵里奈は先日、身内だけを招待して結婚式を挙げました。洗練された素敵なレストランでみんなの笑顔に囲まれた、幸せいっぱいの一日。絵里奈は大満足だったのですが、式が終わってからもなぜか義姉が水を差すようなことをしつこく言ってきて……。絵里奈の仕事中にもそんな連絡をしてくるので、ほとほと困っています。
貧乏人を見下してくる義姉
今日も連絡してきた義姉。絵里奈たちの結婚式をディスってはマウントをとり、上機嫌です。
いつも高級レストランでママ友とランチをしている義姉は、どんなレストランの価値もわかると話します。挙式をしたレストランは歴史もあって良いレストランなんですと絵里奈は伝えますが、見栄を張らなくていいからと高笑い。そして、共働きなのに式場ですら結婚式ができないなんて、どれだけの低所得なのかと侮辱してきたのです。
絵里奈が何を言ったところで、義姉の上から目線のコメントは止まりません。しまいには「そんなに素直じゃないならお金に困ったとき貸さないからね」と言ってくるので、絵里奈はあきれてしまいました。
後日、義実家でおこなわれたバーベキューでは、「味がわからないでしょ」と絵里奈に焦げた肉ばかりを渡してきました。借金もなく生活にも困っていない自分たち夫婦が、なぜ貧乏人扱いされるのか、絵里奈にはよくわかりません。思い切って義姉に尋ねてみると、すべてが貧乏くさいと言うのです。
義姉は自分が生まれも育ちも裕福だと思っており、夫も大企業勤めなので、自分の周囲に貧乏くさい人間がいるのが気に入らないようです。また絵里奈は父子家庭で育ったのですが、そういう家庭は貧乏だと相場が決まっているとも言い、父親までも侮辱するのでした。
我慢の限界!義姉に正体を明かすと…
数日後、仕事に向かう絵里奈を見かけたと、義姉がまた連絡をしてきました。
「女が作業着で仕事とか底辺じゃんw」
「汚い格好でどこ行くの〜w プププw」
あまりにしつこい義姉にうんざりした絵里奈は、もう正直に話すことにしました。
「あなたのご主人が勤める工場の視察ですが」
じつは絵里奈は義兄の上司にあたり、大企業の執行役員をしています。そしてその会社の会長は、義姉が見下してきた絵里奈の父親になります。
義兄はスーツ姿で本社に出勤しているふりをしていますが、実際は工場勤務。義姉の嫌う作業着を毎日着て、仕事をしているわけです。絵里奈の話を信じなかった義姉ですが、義兄を問い詰めて真実を知り……態度を180度変えてきました。
勘違いからしたことなので許してほしいと謝ってきましたが、絵里奈は今までされた嫌がらせを忘れられず、許せません。
ですが、プライベートと仕事は割り切って考えているので、義兄をクビにすることはしませんでした。しかし、義姉は義兄が上司に呼ばれたと心配しており……その理由をつくったのは義兄自身でした。なんと会社の備品を盗んで売っていたのです。義姉の散財がひどく、つい手を出してしまったと言うことでした。
義兄の悪事が発覚。その後の生活は…
義兄は賠償と1年間の減給で済むことになりましたが、それ以上の情けをかけてほしいと義姉は絵里奈に懇願してきました。被害届を出されなかっただけでもありがたいはずなのに、ずいぶんなことです。
あれだけ裕福だと自慢していた義姉の実家ですが、援助をお願いできるほどでもないようで……。義姉は節約生活に励み、パートへ出ることに。日々のやりくりと賠償金の返済に追われているようです。
人のことを見下してアレコレ言っていると、助けてほしいとき誰も味方になってくれませんよね。義兄のことで生活が一変した義姉ですが、これを機に自分のしてきた言動を省みてほしいですね。