親になることに不安を覚える総二郎と、そんな夫を励まし、前向きな真琴。いよいよくり子が職員に連れられてやってきて―!?
血のつながりのない親子が“家族”になるハートフルストーリーです。
里子を迎えた日
幼いころの記憶があまりない総二郎は、里子を迎える前日、子どものころのアルバムを見返していました。
総二郎はアルバムを見ながらこう言いました。
「今さらですがこんな僕に務まるのでしょうか……」
10歳のときに両親と兄を亡くした総二郎は、自分の子ども時代のことが思い出せず、里子を新しい家族として迎え入れ、育てていくことに不安を感じている様子。
その様子を見た真琴は、「総二郎は総二郎のままで大丈夫。もし足りないことがあれば3人で立って歩いて走って登って踊ればいいよ」と励まします。
そして翌朝。里子のくり子が児童相談所の職員さんに連れられて、総二郎と真琴の家にやってきました。2人は緊張をしながらも笑顔で挨拶をします。
するとくり子は、スーッと息を吸い込み、「くっくっくりくりくりくりくりくり」「くりこです!」と勢いよく挨拶をしました。
挨拶をするくり子の瞳は、希望に満ち溢れきらきらと輝いていました。
※里親制度…さまざまな事情で家族と離れて暮らす子どもを、自分の家庭に迎え入れ、温かい愛情と正しい理解を持って養育する制度のこと
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厚生労働省によると、親と暮らすことができない子どもは日本には約42,000人いて、都道府県が保護し、乳児院、児童養護施設、ファミリーホーム、里親家庭などさまざまな場所で生活をしているのだそうです。そして総二郎さんと真琴さんがくり子ちゃんを迎え入れたのは、里親制度によるもの。子どもが成長する過程において、特定の信頼できる大人との間での愛着形成が大切だと考えられており、推進されている制度なのだそう。
里子のくり子ちゃんを家族として迎え入れた総二郎さんと真琴さん。お互いにきっと緊張や不安があると思いますが、くり子ちゃんにとって、総二郎さんと真琴さんが安心して心を開くことができる存在になっていくといいですね。
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