話は変わってめぐみが母親から譲り受けたネックレスのこと。めぐみが依頼した供養を拒否した神社の神主さんが、めぐみのネックレスを他の神社から買い取り、保護していました。しかし、あえてめぐみに渡しに行くのではなく、「選べるのは彼女自身だけ」だとめぐみの判断を待とうとする神主。
後日、めぐみは渡したいものがあると再び碇川の元を訪れました。手に持っているのはネックレス。以前めぐみがつけていたものとは異なるものなのですが―!?
これは、自分を押し殺して自分に取り憑かれてしまった女性の話です。
母から譲り受けたネックレスのゆくえ
※妊娠3週目は受精卵が着床し、妊娠が成立する時期であり、妊娠検査薬での反応はまだ出ないことがほとんどです。この時期は胎児心拍はもちろん、胎嚢を確認することは難しいです。
ネックレスの供養を拒否した神社の神主さんは、めぐみが次に訪れた神社からネックレスを買い取り、保護していました。そして、神主さんはこのネックレスは念が強すぎるからと、石を4つに分けたのです。
めぐみは何者かに憑りつかれた自分をどうにかしたいと思い、ネックレスのある神社を訪れました。神主さん曰く、めぐみは何かに憑りつかれたのではないとのこと。あえて言うのであれば、めぐみに憑りついていたのは「自分自身」だと言いました。
また、自分の気持ちを抑え込んでいると、別の人格に取り込まれてしまうことがある。そうならないための唯一の方法は「自分自身のために生きるということ」なのだと続けます。
神主さんが4つに分けたネックレスを母親、友人のさえ、そして碇川事件の犯人でめぐみと同じ症状のある碇川に渡しためぐみ。
それからというもの、めぐみはこのネックレスのおかげでほどよく言いたいことが言えるようになり、てっぺいや義母との関係も良好に。
相手に自分の思っていることを伝えられるようになったので、めぐみは自分がてっぺいや義母への不満を書き込んでいたSNSのアカウントも削除しました。
普段、夫への愚痴が止まらず苛立っていたさえも、ネックレスのおかげで気持ちが落ち着いた様子。
ただ1人、碇川だけは、ネックレスの石を粉々にしてしまい、変わることはありませんでした。
数年後―。
めぐみは家族円満で幸せな日々を過ごしていました。そして第2子を妊娠。するとてっぺいが、「次は女の子な気がするよ」と言いました。
以前、ネックレスの由来やその祖先について、めぐみの母親が「村に祀られている石に向かってつらさを吐き出し続けた結果、その村には女の子しか生まれなくなった」と言っていたのを思い出しためぐみ。
一瞬頭によぎり、戸惑いましたがてっぺいはその話を知る由もありません。「きっと、この子は大丈夫」と、めぐみは思い直しました。と、同時にめぐみのつけているネックレスが「ズズ」と動いたのでした。
◇ ◇ ◇
ゆうきくんを大切に思うめぐみさんのまっすぐな気持ちが働いたのか、自分の身体を取り戻そうと、ネックレスを入手するため神社への1歩が踏み出せためぐみさん。神主さんがネックレスを4つに分けてくれたことで、念が弱まり、言いたいことがほどよく言えるようになりました。
てっぺいさんやお義母さんとも関係が良好に。めぐみさんの伝え方が変わったことで、てっぺいさんもお義母さんも理解してくれたのではないでしょうか。めぐみさんのお母さんも、このネックレスを身につけたことで、旦那さんに対して今までのことを謝り、夫婦の関係を修復できたようですね。
めぐみさんのように、つい、「母親だから」「自分がやったほうが早いから」「言ってもわからないだろう」などと我慢をしがちなママたちは少なくないのかもしれません。けれども、ママたちが笑顔で過ごすことこそ、子どもや家族の笑顔にもつながるようです。神主さんの言う通り、簡単なことではありませんが、心の健康を保つためにも、不安や不満をため込まず、その都度相手に自分の思いを伝えていくことを心がけられるといいですね。そのときに、相手に対しても思いやりをもった伝え方をすることもまた、意識しておくとよさそうです。そうやって丁寧な話し合いを繰り返すことが、夫婦や家族の絆を深めていくのかもしれません。
めぐみさんがこれからも、自分自身を大切にして、適度に息抜きをしながら夫婦で子育てを楽しむことができますように。
バラシ屋トシヤさんのマンガは、このほかにもブログやInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。