そしてめぐみは、「義母に対して都合の良いときだけゆうきと関わらないでほしい」、「あなたの息子(てっぺい)は子どもが生まれてからずっと親としての自覚なんてないのだ」と言い放ちます。めぐみの発言を聞いたてっぺいは……。
これは、自分を押し殺して自分に取り憑かれてしまった女性の話です。
夫が放った衝撃的な言葉
めぐみから「親としての自覚がない」と言われたてっぺいは、「家族のために毎日一生懸命働いている」、「育児だって手伝っている」と主張。
てっぺいの主張を聞いためぐみは「んー育児を手伝うって思ってる時点でアウトね」「それに専業主婦だって立派な仕事です」と言葉を返します。
すると、てっぺいは、その腹いせに何もしないのはゆうきがかわいそうだと激怒。呆れた義母はゆうきを連れて帰ると言い出しました。
しかし、もうひとりのめぐみが心の中で言いました。
「お願い……待って……」「お願いします。ゆうきを連れて行かないで……」
するとゆうきが突然泣き出しました。義母やてっぺいがあやしてもなかなか泣き止みません。
そのころ、めぐみがネックレス供養のため、初めに訪れた神社の神主さんがもう一度めぐみを救うための手立てはないかと考えていました。この神社では、ネックレスをすぐに供養することはできないと言われためぐみは、別の神社で大金を払ってネックレスを処分してもらうことにしたのです。
しかし、めぐみが処分をお願いした神社からお金を出してネックレスを買い取り、1つ目の神社の神主さんがネックレスを保護してくれていました。
神主さんは、「めぐみを救う方法があるとするならば、それは親子の愛だ」とつぶやきます。
そして、表で出てきている「何でも言いたいことを言い放つ自分」と「相手への思いを我慢してため込む自分」のどちらを選ぶか決められるのは、めぐみ自身なのだと言いました。
ある日、再び碇川の元を訪れためぐみ。めぐみは彼にあるネックレスを差し出したのでした。
◇ ◇ ◇
「俺は毎日一生懸命働いている」「育児も手伝ってる」この言葉にカチンと来てしまっためぐみさん。育児はママだけでなくママとパパ2人でおこなうものなのに、”手伝う”という言葉はおかしいですよね。「専業主婦も仕事」「育児を手伝うと言っている時点でアウト」と反論しますが、めぐみさんの考えに共感を覚える方は少なくないのではないでしょうか。
ある父親の育児参加に詳しい専門家によると、高度経済成長期にできた「男性は仕事、女性は家事と育児」という、性別を理由に家庭での役割を固定的にとらえる「性別役割分業意識」の考え方が現在も残っているそうです。てっぺいさんもこの考え方の影響を少なからず受けているのかもしれません。本来の自分の姿で、きちんと自分の気持ちをてっぺいさんやお義母さんに伝えて、理解し合える日がくるといいですね。
バラシ屋トシヤさんのマンガは、このほかにもブログやInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね。