癒しのイケメンバイト
私の仕事はとても忙しく、夜遅くまで残業することも少なくありません。仕事に忙殺される私にとって、唯一の楽しみが残業帰りに立ち寄るコンビニ。そこで働くさわやかイケメンのバイト君の存在に癒されているのです。彼がいつも明るい笑顔で「いつも遅くまでお疲れ様です!」と声をかけてくれるおかげで、疲れが吹き飛びます。
こう思っているのは私だけではないようで、近所に住む多くの女性客たちから熱い支持を受けているバイト君。ほかの女性客が「あの子に会うだけで元気になる〜」と話しているのを耳にしたこともあります。
このコンビニのアイドル的存在のイケメンバイト君は、私にとって「推し」のような存在に……。会社でも同僚に彼の話ばかりしていたので、同僚から「そんなにすてきな人なら会ってみたい!」と言われ、彼女を誘ってコンビニへ向かいました。
推しの彼がいない?
ところが、いつもレジでキラキラの笑顔を見せている彼の姿が見えません。代わりにいたのは、「店長」と書かれた名札をつけたオジさんです。ダメもとでバイト君が休みかどうか聞いてみると、店長は「あぁ、彼は2日前に辞めさせました」とひと言。
まさかの事実にショックで言葉が出ない私に、店長はニヤッと笑いながら「彼は、客に媚を売るばかりで態度が悪いから辞めさせたんです。あんなにチャラい店員がいると店の質が下がるし、話している暇があるなら商品を売ってほしいですよ。まったく……」と言います。
しかし、私はその話を聞いて腑に落ちません。なぜならバイト君はいつも真面目に働いている様子でしたし、レジに客がいないときは掃除や品出しなどをしてテキパキと動いていたからです。
店長がやけにニヤニヤしているのを見て、なんだか胸騒ぎがしました。「もしかしたら、店長が彼の人気に嫉妬をして、不当な理由をつけて辞めさせたのでは……?」と。
運命の再会
唯一の癒しの存在が突然いなくなってしまい、私はとても落ち込みました。それから数日後のとある休日。近所で買い物をしていたとき、ふと目にはいった八百屋に人だかりができているのを発見。
気になり近づいてみると、人だかりの中心にいたのはなんとあのイケメンバイト君! 「いらっしゃいませ〜! 新鮮なお野菜はいかがですか?」と、さわやかな笑顔で接客をしています。感動の再会に私は思わず泣きそうになってしまいました。
すると、彼が私に気づいてくれて「あっ、お久しぶりです! お元気でしたか?」と声をかけてくれました。そして、コンビニを辞めることになった経緯について聞いてみると、彼は苦笑い。店長のことを決して悪くは言いませんでしたが、理不尽な理由で辞めさせられたことはなんとなくわかりました。
すると、そばにいたコンビニ時代からのバイト君ファンのおば様たちが「やっぱりおかしいと思ったのよ! 大丈夫、あの店長は今すごく困っていると思うわ」と言います。
意地悪店長の末路
その後、あのコンビニの前を通りかかると、やけにおろおろした様子の店長が私のもとへやってきました。そして、「あのバイトの居場所を知っていたら教えてくれ! 彼が辞めてから売り上げがガクッと落ちて困ってるんだ」と言います。
あまりに自分勝手な言い分に呆れた私は、「教えるわけないでしょう。彼は新しい職場で一生懸命頑張っているんですから、邪魔しないでください」と言い、その場を離れました。
噂によると、店長の傲慢な性格に辟易していた店員たちがみんな辞めてしまったそうで、その後コンビニは閉店。
私はというと、相変わらず多忙な日々を送っていますが、なんとイケメンバイト君と食事にいく仲になりました。今後関係が発展するかわかりませんが、彼の明るさに癒されています。
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