夫の仕事が出張が多いことは結婚前から分かっていましたが、いざひとりで留守番してみると思った以上に寂しくて心細くなっていました。夫に相談すると、お酒でも飲んで寝るように言われたのですが……。
深夜に鳴り響くインターホン
ひとりで留守番をしていたある日の夜。もう深夜だというのにインターホンが鳴りました。こんな時間に誰が何の用事があって訪ねてきたのか……? そう考えていると、タイミングよく夫から連絡が入りました。
「インターホン鳴ったんだけど……」
玄関の外には誰かがいる気配がします。それを夫に伝えると……。
「絶対出るな!!! じっとしてろ!」
「え……?」
夫は「じっとしてろ」と言いますが、ドアの向こうにいるのは誰なのかも気になり、覗き穴から確認してみようかと夫に相談しますが、夫は刺激しないほうがいいと止めてきました。でも、その間にもインターホンは鳴り続け、何かブツブツ喋っているよう。一向に去っていく気配もなく、夫からは「余計なことはするな」と言われていましたが、恐怖のあまり私は警察に通報しました。
30分後。
夫からまた連絡があったので、警察に通報したことを伝えました。すると、警察沙汰にしたことに不満そうな口ぶりでしたが、不審者の様子などを聞いてきました。警察に連行された不審者は、若い女性。連行されるときに「私はこの家に住む男の恋人だ!」と叫んでいました。そして、連れて行かれるとき、なんとなく私をにらんでいたような気も……。もちろん、私は彼女のことを知りませんでした。
夫にその話をすると、夫の様子が変なことに気づきました。うまく言えませんが、何となく焦っているような……? 思えば、連絡してきたタイミングも絶妙でした。もしかして、誰かがわが家にくるのを知っていた? と聞くと、そんなわけないと答えた夫。
とりあえず、夫ができるだけ早く帰ってきてくれることになったため、私は帰りを待つことにしました。
不審者の正体が判明
夜が明けて、夫から「始発の新幹線で帰る」と連絡がありましたが、私は「もう帰らなくていい」と告げました。なぜなら、不審者の正体がわかったから。
彼女は、夫の恋人でした。出張というのはウソで、昨日は彼女と一緒に楽しくデートをしていたよう。私が寂しくひとりで留守番をしている間、夫は外で女と遊んでいたのです。
そして彼女は、夫が私と別れて自分のもとへくるのを望んでいたそう。そして、なかなか私と別れない夫と喧嘩になって、わが家にやってきたというのが真相とのこと。さらに彼女は鉄パイプを持っていたので、もし私が家から出ていたらと思うと……ゾッとしてしました。
いずれにしろ、不倫をする最低夫なんて私には必要なく「もう顔も見たくないから家に帰ってこなくていい」と伝えました。
セキュリティ対策万全の家へ
その後、冷静になった夫の不倫相手は「直接会って自分のしたことを謝りたい」と言ってきました。しかし、私は彼女と接触すべきではないと判断して、謝罪をお断り。
夫には慰謝料を請求して別れ、すべてを終えたらすぐに距離を置きました。これは、私はもう夫とはなんの関係もないと立場を表明するためでもあります。
夫はというと、不倫相手に別れる意思を伝えても、なかなか納得してもらえなかったようで、話し合いは難航したと聞きました。
私は今回のことを教訓に、セキュリティ対策万全のマンションへお引っ越ししました。金銭的負担は増えたものの、一度こわい思いをした私にとっては、ピッタリの物件。おかげで、毎日穏やかに過ごせています。
◇ ◇ ◇
夫の不倫を知ったことだけでもショックなのに、深夜に鉄パイプを持った不倫相手にインターホンを鳴らされるというこわい体験までしてしまったなんて、大変でしたね。今回の事件後、妻さんは夫とも不倫相手とも必要以上にはかかわらず、距離を置くようにしました。早めに妻さんの新しい人生を踏み出すためにもいい選択だったのではないでしょうか。これからは穏やかに過ごしていってほしいですね。