そもそもモナリザ症候群とは?
自律神経の切り替え不良が引き起こす肥満
モナリザと聞くとレオナルド・ダ・ヴィンチの絵画が思い浮かびますが……。
「絵画のモナリザとは無関係です。モナリザ症候群は「Most Obesity Known Are Low In Sympathetic Activity.」の頭文字からとった造語で、ほとんどの肥満は交感神経の働きの低下による、といった意味です」(黒田先生)。
交感神経の働きの低下、とはどういう意味なのでしょうか。
「私たちの体は、活動モードの交感神経とリラックスモードの副交感神経という、2つの自律神経がスムーズに切り替わることで健康は維持されています。
交感神経が優位に働くと、心身が活発になって消費カロリーが増加しますが、副交感神経が優位になると心身にブレーキをかけ、代謝が下がるようになっているのです。
モナリザ症候群は、この交感神経と副交感神経のスイッチの切り替えがうまくできないことで消費カロリーや代謝が落ち、それほど食べなくても太りやすくなる状態を指しています」(黒田先生)。
モナリザ症候群の原因となるNG習慣とは?
メリハリのない、だらだら習慣が原因
なぜ、交感神経と副交感神経のスイッチの切り替えがうまくできなくなるのでしょうか。
「緊張モードとリラックスモードのメリハリがついていれば、問題なくスイッチの切り替えはできるはずです。
しかし、例えば
・ 朝、決まった時間に起きない
・ 人と会って話さない日がある
・ 1日中、部屋着で過ごす
・ 運動よりだらだらするのが好き
・ お風呂はシャワーで済ませる
・ 夜、ついスマホを見ながら夜更かししてしまう
といった、緊張感のない生活、またはリラックスがない生活を続けていると、自律神経のバランスが乱れてしまうのです。最近ではコロナ禍でリモートワークが増え、家で1日中過ごすことが増えたことも要因でしょう」(黒田先生)
更年期のホルモンバランスも一因
「また、女性ホルモンのバランスの乱れが自律神経にも影響しています。女性ホルモンが低下する更年期は特に自律神経が乱れやすいので、注意が必要です」(黒田先生)。
モナリザ症候群から抜け出すための対策は?
メリハリのある生活を意識
更年期の女性は特に自律神経のバランスが乱れやすいということ。どんなことに注意したほうが良いのでしょうか。
「緊張モードとリラックスモード、2つのバランスが取れた生活を心がけることが大切です。
緊張モードならば
・ 朝食を食べる
・ 冷たい水で顔を洗う
・ 午前中から活動する
・ 午前中に運動する
・ 午前中に掃除など、体を動かす家事をおこなう
・ なるべく人と会う
といったことが一例として挙げられます。
リラックスモードならば
・ 睡眠を1日7時間以上取る
・ 瞑想をする
・ ヨガをする
・ 湯舟にしっかりつかる
・ アロマをたく
といったことを試すと良いと思います」(黒田先生)。
腸内環境を整えることも大切
「自律神経は腸内環境とも深い関係があります。腸は脳の次に神経細胞が多い器官です。神経細胞は自律神経によって作用されるので、自律神経を整えるためには腸内環境を整えることがとても大切です。
腸内環境を整えるには、まず白砂糖を控えることから始めてみてください。他にもカゼインやグルテンなど腸内環境を乱す成分を含む食品は極力控えたほうが安心です」(黒田先生)。
まとめ
若いころと比べて確実に食べる量は減っているのに体重は増える、という不思議な現象に悩み続けてきましたが、原因が自律神経にあるとは。心当たりのある人は、できることから改善してみてはいかがでしょうか。
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