真夏の炎天下での車中はとても暑いです。エアコンをつけていても熱中症になってしまうことは少なくありません。しかし、そんな夏の車の中に、子どもが閉じ込められる事故が頻発しています。子どもを守るために、親としてどんなことに気を付ければいいのでしょうか?
1歳の男の子が閉じ込められる
6月下旬、こんなニュースが報道されました。
「車の中に子どもが閉じ込められている」との119番通報で消防隊が出動すると、1歳の男の子が、エアコンが切られた車内に閉じ込められていました。消防隊がガラスを割って救出し、命は助かったものの、男の子は中程度の熱中症で入院することになったといいます。
このニュースはいわゆる「幼子を車内に放置」とは違います。男の子の親は直前まで一緒に車に乗っていて、閉じ込められたときも男の子のすぐそばにいたのです。それなのになぜ、こんな事故が起きてしまったのでしょう?
子どもが車のカギを触ってロック!
原因は、男の子が「車のカギ」を持っていたことでした。カギを持つとグズらないため、親がカギを渡していたそうです。そして目的地に到着し、男の子にカギを持たせた状態で親が車を降り、後部座席に回って男の子を降ろそうとするわずかの間に、男の子がロックボタンを押して施錠してしまいました。
ここまで読んで、ドキッとしたママもいるはすです。小さな子どもはなぜか「カギ」が大好き。大人しくしてほしいときなどに、おもちゃ代わりにカギを持たせていることもあるのではないでしょうか。
でも、車のカギはボタンひとつで施錠ができるため、カギを持っている子どもが誤ってロックしてしまうことがあります。カギを開けるように車の外から伝えても、1歳くらいの子どもには伝わらないもの。今回の事故のように、親が運転席から降りて後部座席に回るわずかな時間でも油断はできません。
閉じ込められてしまう事故を防ぐには?
こうした事故を防ぐには、まず子どもにカギを渡さないことが大事。カギがほしいとグズったとしても、子どもの安全を優先してがまんしましょう。
ですが、子どもがカギを持っていなくても、同じような事故が起きる可能性はあります。消費者庁のホームページでは、過去に「母親が郵便局での用事を済ませ、子どもと荷物を車に乗せてドアを閉めたところ、ドアロックがかかり、荷物の中にキーを入れていたため解除不能となった」という事故も報告されています。
車のカギを車内に残したままにすると、なんらかのアクシデントでカギがかかってしまうこともあります。車のカギは常に親が持つことを心がけましょう。
夏本番のこの季節は、熱中症の危険も高まります。荷物を出し入れするほんのわずかな時間でも車のカギは持って出るなど、カギの取り扱いにはくれぐれも注意しましょう。(TEXT:妹尾香雪)
出典:消費者庁ホームページ
http://www.caa.go.jp/kodomo/mail/past/vol/20150820.php