そんなことを言うのは、幼稚園時代のママ友、マキでした。実はマキは人のものをなんでも欲しがるクレクレママ。私が働き始めたことを知った途端、これまで以上に私のものを欲しがるようになったのです。
クレクレママに狙われた!
ある日、買い物に出かけた私は、ショッピングモールでマキにバッタリ会いました。出先でマキに会うと必ずお茶に誘われるのですが、財布を忘れた、今手持ちのお金がないから今回は払ってほしいなどと言われ、毎回お茶代を払わされるのです。しかもマキが頼むのは、そのお店の目玉とも言える高価なメニューばかり。
今回もマキの押しに負けてまんまとカフェに入ってしまいました。
カフェで話をしていても、目につき次第なんでも欲しがるマキ。その日は、私が持っていたマスコット付きのキーホルダーを欲しがり、「大切なものだから……」と言っても諦めてくれません。挙句、「働いているのだから、もう1個買えばいい」と言い張って、マキは無理やり私のキーホルダーを奪ったのでした。
取り返すチャンス到来!
数日後、ちょっとした嬉しいことがあり、ステーキ肉を買って帰ることにしました。想像以上に良いお肉が手に入ったことで私の足取りは軽く、「いい肉買えた〜♪」と鼻歌を歌いながら肉屋を出ると、そこにはマキの姿がありました。
マキはいつものクレクレで「ステーキ肉を豚コマ肉と交換してほしい」と無茶なことを言います。「どちらも肉に変わりはないから」とマキは言いますが、今日のお肉はなかなか手に入らない貴重なもの。断固として断ろうと思っていたところ、マキのカバンに例のキーホルダーがぶら下がっていることに気がつきます。
私はとある作戦を思いつき「そのキーホルダーと交換なら、ステーキ肉全部あげてもいい」とマキに言いました。
怒り狂ったママ友
さほどキーホルダーに執着がなかったようで、マキはさらっとキーホルダーを手放し、引き換えにステーキ肉を持ち帰りました。お肉は手放すことになりましたが、大事なキーホルダーを取り戻せたので、ヨシとします。
しかし翌朝、マキは怒り狂って我が家へやってきて「いい肉だなんてウソつき!! カエルの肉をよこすなんて最低ね! 気持ち悪い!」と青い顔をしています。
私が買ったのは、紛れもなく食用ウシガエルの肉。ここ最近、夫と私はゲテモノ料理にハマっていて、いろいろなお肉を食べてみたいという夫のリクエストに応え、カエルの肉を用意したのでした。
カエルの形状を彷彿とさせるお肉を見て、マキはさぞかし驚いたことでしょう。
改心したクレクレママ
この一件以来、マキのクレクレはピタッと止まりました。我が家にとってはご馳走でしたが、マキにとってはトラウマになるほどの食材だったのでしょう。これに懲りて、人のものを欲しがるクセを治してほしいものです。
なんでも人のものを狙うクレクレママは、ロックオンされてしまうと本当に厄介ですよね。でも、なんでも欲しがってくれたおかげで、無事に大切なキーホルダーを取り戻せたのでした。