娘を連れて義実家にいくと、姑は「女の子なのにズボンなんて着せちゃって!」とチクリ……。姑は、とにかく「女の子らしさ」にこだわっています。女の子が公園で元気いっぱい遊ぶなんて、信じられないと言われてしまいました。
運悪く公園でバッタリ…
その日も娘は、いつものように公園を元気に駆け回って遊んでいました。そこにタイミング悪く通りかかった姑は「遊ぶなら、おままごととかお絵かきとか、女の子らしい遊びをしなさい!」とヒステリックに叫びます。挙句、まだ遊び足りない娘の腕を引っ張って公園から出て行ってしまいました。さらにヒートアップした姑は「今日からズボンは禁止」と言い、大量のスカートを買ってきたのです。
このまま姑の言いなりになるわけにはいきません。娘には気の毒ですが、次の日からスカートを履かせ、公園もしばらく我慢してもらうことにしました。これは私の作戦です。娘にもしっかりと話して聞かせ、母娘の戦いが始まりました。
保育参観に姑を招待
それからしばらくして、保育参観がありました。娘の希望もあり、姑を招待して夫と3人で張り切って会場へ向かいます。娘のクラスでは体操の授業をする予定です。
しかし本気で体操をしない娘は、教室の片隅で小さく座っています。いつもと違った様子の娘に、先生が「どうしたのか?」と尋ねると、娘は「おばあちゃんから、女の子はおとなしくしていなければならないと言われたので、体操なんてできません」と言います。
その言葉を聞いてざわつく先生たち……。それもそのはず、今日は保護者に紛れて、スポーツ関係者が娘を体操の強化選手にスカウトするための視察に来ていたのです。
それを知った姑の表情は、みるみるうちに険しくなりました。
姑の手のひら返し
頑なに体操に加わらない娘に痺れを切らした先生は「おばあちゃんはどこ?」と呼び始めました。うつむいている姑の腕をつかんで「ここです!」と私が言うと、先生は「あなたは孫の未来をつぶすおつもりですか?!」と詰め寄ります。
その後も、娘は世界で活躍できる才能があるのに、それを奪ってはいけないと諭してくれました。
姑の性格は嫁である私がよく知っています。姑は人一倍見栄っ張りで、自慢したがりなのです。俯いた姑の口元は、堪えきれずにほころんでいるのでした。
孫をここまで褒められていい気になった姑は、ついに手のひらを返して、孫自慢! 自分が言ったことなどすべて水に流したようです。
親が子どもに望むことは…
「今時の女の子は運動もできなくっちゃね」姑がそう言った瞬間、娘は立ち上がり、アクロバティックなバク転を披露! その後も大技を繰り広げていました。
この日以来、姑はすっかりおとなしくなり、娘に女らしさを求めることはなくなりました。もちろんこれ以上、私も何も言わせるつもりはありませんが……。
今日も娘は公園で元気に遊んでいます。今は自由に遊んでいたいという娘の意向を優先し、各スポーツ関係者のスカウトを断ってしまったのは惜しいことをしたと思っていますが、娘の気持ちが第一です。親として、これからも娘が自分らしくいられるよう、見守っていきたいと思います。
性別を理由に可能性を狭めてしまうのはとても残念なことですね。性別でカテゴライズすることなく、子どもの個性や才能を認め、本人の希望に合った道を一緒に切り開いてあげてほしいです。