生まれたての赤ちゃんを救え!「新生児搬送の実際」を助産師が解説します

2018/08/10 21:00
この記事では、助産師のREIKOさんが新生児搬送の依頼から赤ちゃんがNICUに入院するまでの流れについて、以前働いていた病院を例にお話ししてくれています。
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NICUの赤ちゃん

 

こんにちは! 助産師のREIKOです。前回は、新生児救急車についてお話しさせていただきました。今回は、新生児搬送の依頼から赤ちゃんがNICUに入院するまでの流れについて、私が働いていた病院を例にお話ししたいと思います。

 

新生児搬送の依頼が入ると……

新生児搬送の依頼の電話(ホットライン)は、ほかの電話と着信音が違います。ですので、ホットラインがなると、一瞬NICU内に緊張感が走ります。電話に出るスタッフも決まっていて、そのスタッフが搬送依頼の内容(赤ちゃんが生まれた日時、生まれたときの状態、今の状態、ママの情報、まだ赤ちゃんが生まれていない場合は、お産の経過や帝王切開の時間など)を聞いていきます。

 

聞き取った情報を医師や看護師と共有し、搬送担当の医師と看護師1名ずつが赤ちゃんのお迎えに向かいます。搬送担当の看護師は、それまで入院中の赤ちゃんのケアをしているので、不在の間はほかのスタッフにケアが振り分けられ、入院予定の赤ちゃんを受け持つ看護師とほかの医師で、入院準備を開始します。

 

産院についたら……

搬送依頼が入ると、直ちに救急車に乗り、依頼先の産院へ向かいます。道中、赤ちゃんの状態を予測しながら、保育器を温めたり、必要な処置の準備をしたりします。

 

依頼先の産院についたら、産院の医師から情報を聞き、赤ちゃんの状態を確認します。そして、赤ちゃんを新生児救急車に連れて行くのですが、その前に必ずママやおうちの方に説明をして行きます。

 

時間との勝負!という場合もありますが、やはりいきなりやってきて、赤ちゃんが”連れ去られた”という印象を持たれるケースも少なからずありますので、やはり説明は大切です。

 

新生児救急車の中では……

赤ちゃんを新生児救急車の中に収容したら、必要な処置が始まります。ラジアントウォーマー(開放型の保育器)の上で、心電図モニターを装着し、体温や呼吸数、心拍数などをチェックしていきます。同時に、必要な処置をおこないます。

 

新生児救急車は、動くNICU(新生児集中治療室)ともよばれていて、新生児救急車の中でNICUにいるのと同等の処置ができるような機器と物品がそろっているんですよ。


いざ病院へ!

必要な処置が終わり、病院へ戻るとなったときに、もう一度、赤ちゃんのママやおうちの方、産院の医師に今の赤ちゃんの状況を説明します。そして、病院にも赤ちゃんの状態や病院に戻ってから必要な処置などを伝えます。

 

連絡が済んだら、急いで病院へ! ……と言いたいのですが、小さな赤ちゃんは、とってもデリケート。少しの振動も負担になってしまうことがあります。ですので、ちょっとした段差にも注意して搬送しないといけません。ゆっくり急いで、病院に戻ります。

 

 

無事、赤ちゃんがNICUに入院となったあとも、搬送担当の看護師の仕事は終わりません。救急車内のそうじ、使った物品の補充、搬送の記録……など、次の依頼がいつ来てもいいように準備をしていきます。片付けが終わったら、ドライバーさんがガソリンスタンドでガソリンを満タンにして、いつでも出動できるようにしているんですよ。

 

ふだん見ることのない、新生児搬送の実際についてお話ししてきましたが、イメージできたでしょうか? 動くNICU(新生児集中治療室)」を見かけた際は、心の中で赤ちゃんとママ、そしてNICUのスタッフも応援してあげてくださいね。


医療短期大学専攻科卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。


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