仕事だとはいえ、毎日のように遅く帰宅することに負い目を感じていたのか、夫は私の大好きな猫を家族として迎え入れることを提案してくれました。動物が苦手な夫には大変なことかもしれませんが、私のことを思って勧めてくれ、また大好きな猫と一緒に暮らせるということで、私はとてもテンションが上がっていました。
私の秘策
数週間後、わが家に新しい家族が増え、私はとても幸せな日々を過ごしていました。家に来てくれた猫に、私はとてもメロメロ。そんな私の姿を見て、夫はにこにこ笑っていました。
ある日私は実家に帰ることになり、夫と愛猫はお留守番に。1泊2日ですが、夫がちゃんと世話できるのか不安を感じ、私は秘策を使うことにしました。
帰省中、私は両親とドライブをしました。急ぎで自宅に連絡することになったのですが、そのとき夫は自宅で仕事をしていると言っていました。
「今夜はひとりさびしく寝るよ」
ひとりさびしく……。私は知っていたのです、そのとき夫が何をしていたのか……。
「横の女に私のパジャマ着るなって言ってくれない?」
「え……?」
私の秘策、それは見守りカメラの設置でした。愛猫の様子を帰省中も見られたらと思って、設置。声も映像もバッチリ撮れるもので、なんと私が声をかける機能もありました。その機能を使って夫をちょっと驚かそうと思っていましたが、私が画面を見ると、茶髪の女性が夫の肩にしなだれていたのです。
夫が仕掛けた罠
夫と不倫相手の会話は、カメラを通じて筒抜けになっていました。「最近は猫に夢中だから不倫には気付いてない」とか、「猫程度でさびしさが紛らわせれるんだから安い女」などと言っていた夫。
私が夫にそのことを連絡し、私がカメラを仕掛けていたことを知ると、夫は激昂。プライバシーの侵害であり、私のことを常識がないと言ってきました。
いよいよドライブの目的地に。実は行き先はわが家だったのです。それを知った不倫相手は逃げようとしましたが、玄関は開かないよう。なぜなら近所に住む兄に連絡し、逃げられないよう細工してもらったのです。
その後、私と夫は話し合いをしました。
大切な人たちを裏切った結果…
私の家族に囲まれ、夫はしぶしぶ離婚届に判を押しました。しかしその後も愛している、別れたくない、納得できないと言った夫。
夫には不倫の隠れみのだった愛猫ですが、私にとってはもう夫より大切な存在です。さびしい時間を一緒に過ごしてきた同士ですから。今の私には、この子と慰謝料があれば十分でした。
また、不倫の証拠として映像があるというのは、本当に強いもので、慰謝料を夫と不倫相手双方にしっかり請求できました。元夫の両親からも提供を求められたので、そちらにも送り、元夫は勘当されたそうです。
また社内不倫だったこともあり、立場を悪くした2人は退職、破局の一途をたどったと風の便りに聞きました。今私は、愛猫と2人、幸せな日々を送っています。出会いのきっかけは今思うと複雑ですが、この幸せは確かなものですから、大切にしていきたいと思います。
夫に裏切られたのはつらいことですが、愛猫のおかげで不倫の証拠も掴め、妻が新たな人生を踏み出せたのはよかったですよね。そして、家族にも勘当され、会社にもいられなくなった夫。自分がおこなったことは、とんでもないことだと自覚し、反省してほしいですね。