完璧すぎた彼
私が社会人になったばかりのころ、合コンで同年代の彼と出会ったのですが、第一印象はとにかくハイスペックで、育ちのいいお坊ちゃまタイプ。頭もよくて何でもできる彼に対して、私は尊敬の念を抱いていたので、毎週のようにデートに行きました。
毎回完璧と言えるほどのエスコートでしたし、こんな人と結婚できたら幸せだろうと確信が持てるほど非の打ち所がない彼。それにもかかわらず、当時の私はまだ若かったこともあり、恋愛感情があまり湧かないという理由だけで自分からフェードアウトしてしまいました。
再会は楽しかったはずが
その数年後、彼から突然「元気?」という連絡が。私はどこかで当時彼にしてしまったことにモヤモヤがあったので、フェードアウトしたことを謝り、お互いフリーだったので、久しぶりに近況報告を兼ねて会うことに。私自身、その間に恋愛でいろいろと経験したので、そのうえで彼と会ったらまた当時とは違った気持ちで恋愛ができるかもしれないという淡い期待もありました。
そして再会してみると……彼への尊敬の気持ちは変わらず、とにかく話していて居心地もよくてあっという間に終電近い時間に。また会いたいなと素直に思いましたし、今なら彼と恋愛をまた始められるような気がしました。
すると、彼から「今日は一緒にいたいからホテルに行こう」というお誘いが。
思い出のままでよかった
私は丁重にお断りをしました。いい大人なのだから普通に予想できた展開のはずですし、ここで踏み込んで一晩過ごしてみてもよかったかもしれません。しかし、体を許してしまえば、もう恋愛に発展する気がしなかったのです。
それと同時に、彼はそんな人じゃないと思っていたのでショックでした。ショックを受けたのは、きっと私が彼に対して最初からずっと幻想を抱いていただけで、彼のことを何もわかっていなかったからなのかもしれません。
過去の恋愛はよく美化されているといいますが、今回の経験でも、再会せずに思い出のままにしておいたほうがよかったと感じました。彼が変わったわけでもなく、私が自分からフェードアウトしたのに、彼とまた恋愛しようだなんて虫がいい話だったのかもしれません。ちなみにその後、お互いに今は結婚をしていて、彼は地元に戻り、幸せに暮らしているようです。
著者/伊藤みり
イラスト/おんたま
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