専業主婦である私。しかし、小さな子どもを2人見ながら家事を完璧にこなすことはできませんでした。
非協力的な夫
夫は「弁当に昨日の残り物を入れるなんて」などと細かいことでぐちぐち……。子どもたちの面倒もろくに見てくれません。何度お願いしても、スマホでゲームしながらちらっと横目で子どもたちの様子をうかがう程度。
私が「もう少し家事に協力してほしい」とお願いすると、「お前みたいに毎日家でごろごろしてる奴と一緒にしないでくれるか?」「昔は素直でかわいかったけど、今は愚痴だけおばさんじゃん」「専業主婦させてやってるのに何言ってんの?」と逆ギレするのでした。
専業主婦=ニート予備軍!?
数週間後――。
幼稚園で風邪をもらってきた子どもたち。子どもたちはあっという間に良くなったのですが、今度は私が熱を出してしまいました。子どもたちのお風呂や寝かしつけがあるので、夫にいつもより早く帰って来てほしいとお願いしたのですが……。
「風邪うつされたくないから今日は帰らない」「薬飲んだら治る程度だろ?家のことを俺に押し付けようとしてるよな?」「俺が家のことをするようになったら、お前いらないじゃん」
どうやら、夫は家事や育児という仕事を私に与えてやっているという考え方のようです。「専業主婦なんてただでさえニート予備軍みたいなもんなのに」「金稼げないくせに文句言うなよ」「悔しかったら俺と同じぐらい稼いでみろ」と言う夫。
夫婦は支え合って生きていくものだと思っていました。たしかに命にかかわるほど重病ではありませんが、こんな時くらい協力してくれてもいいじゃない、と思わざるをえませんでした。
壊れたものは簡単には戻らない
3カ月後――。
帰宅した夫に「今後のことで話がある」と切り出した私。
「また家事しろって話か?主婦がゴタゴタうるせぇよ」
「文句あるなら俺くらい稼いでから言え」
「稼いでるから言ってるんだよ」
私は夫の目の前にこの3カ月分の収入の入った通帳のコピーと、離婚届を叩きつけました。
「お金を稼げれば対等になれるんでしょ?」
この3カ月間、私は寝る時間も削って仕事をしたのです。呆然としている夫を残し、私は子どもたちを連れて実家へ帰りました。
数日後――。
「離婚したくない」とごね続けている夫。「これからは家事も育児もする」「もう二度と馬鹿にしたりしない」と夫は言いますが、何をいまさら……と感じてしまいます。
「俺、お前がいないとダメだって気付いたんだ」「子どもたちと離れるのも嫌だよ」「帰ってきて人の気配がない家がこんなにも寂しいものだとは思わなかった」
何を言われても、私の心は動きません。子どもたちが夫を恋しがるようなら再構築も考えたでしょうが、当の子どもたちは夫がいなくなってもいつも通り。子どもたちの相手をまともにせず、そっけない態度を取り続けた夫の自業自得です。
子どもたちからも見放されていると知った夫は、泣きながら「ごめんなさい」「反省してます」と繰り返していました。しかし、壊れたものはそう簡単には戻らないのです。たとえ接着剤でくっつけたとしても、ヒビは残り続け、なかったことにはなりません。
その後――。
事情を知った両親と義両親に説得され、夫はようやく離婚届にサインしてくれました。私はすぐに離婚届を役所に提出。無事私たち夫婦の離婚は成立しました。
私は実家で両親と子どもたちと共に暮らしています。あの3カ月間は無茶をしましたが、今は在宅で安定した仕事を続けています。下の子が保育園に入る年齢になる頃には資格を取得し、正社員として働くつもりです。子どもたちが楽しく暮らせるよう、しっかりと生活の基盤を作っていこうと思います。