ひとり暮らしを始めた私
ひとり暮らしを始めたばかりのころの私は、自由気ままに生活できることでのワクワクした気持ちが半分、そして初めてのひとりきり生活による寂しさが半分ありました。寂しいがゆえに、付き合いたての彼氏を自宅に招くこともしばしば。お付き合いをしている男性を自宅にあげることは、なんら問題がないと思っていました。
当時の私は、女性のひとり暮らしに対する危機感などまったく持っていなかったのです。
彼との関係が悪化して…
私たちカップルは付き合い始めたばかりのころ、他のカップルの例に漏れずとてもラブラブでした。私は真面目に仕事に打ち込む彼を尊敬していて、二人きりになると急に甘えん坊になるなど、彼のかわいらしいところも大好きでした。
ところが交際開始から数カ月が経つと、私たちの関係に悪い変化が訪れたのです。彼は私の自宅に毎日のように入り浸るようになり、私は彼の作業着を洗濯したりごはんを作ったりなど、半同棲状態で彼に仕えるような関係になってしまいました。
当時の私は自分の生活だけで精一杯で彼を養うほどお金の余裕はなく、仕事では後輩の指導を担当していて心の余裕もない状態でした。そんな状態で、いくら恋人とはいえ他人の世話をするのはとても苦痛で……。彼氏には、私の家に来るのはお互いの休みが合う日だけにしてほしい、しばらく自分の実家に帰ってほしいと伝えました。
しかし、よっぽど居心地がよかったのか「別にいいじゃん」と彼氏は帰ってくれません。数日経っても同じ状況だったので、私はついに嫌気が差して彼に別れを告げ、強制的に家から追い出しました。すると、彼が予想外の行動に出たのです。
夜中に呼び鈴を鳴らす音が!
幸いにも彼には合鍵を渡していなかったので、自宅の施錠をしっかりしておけば部屋に元カレは入ってこられない状況です。しかし別れを告げたあと、彼からはしつこく連絡がくるように。頑なに返信せず無視していたら、ある日の夜中、玄関の呼び鈴を鳴らす音が……。
当時、私が住んでいたアパートはセキュリティが充実しておらず、誰でも各部屋の玄関口まで簡単に辿り着けてしまう構造でした。ピンポーンと呼び鈴が鳴ったので玄関の覗き穴からおそるおそる外を確認すると、そこには元カレの姿が。怖かったので何も反応せずにいると、今度は彼が玄関のドアを激しく叩いて「〇〇ちゃん、お願いだから出てきて!」と廊下で大声を出し始めました。
彼に対する恐怖心と近隣住民に迷惑をかけてしまう申し訳なさから、そのあとすぐ警察に電話して来てもらいましたが、警察の方が到着したころには元カレは諦めて帰ったのか、その場にはいませんでした。
その後、しばらく警察の方が夜中の見回りをしてくれることになりましたが、自分の男性を見る目のなさと、ひとり暮らしに対する危機感のなさを痛感した出来事でした。
初めてのひとり暮らしに浮かれて、元カレを信頼しきって自宅にあげてしまったことに、当時はとても後悔しました。幸いにも元カレの奇行はその一度きりでしたが、当時の私は仕事の都合もあってすぐに引っ越しができなかったため、しばらくの間は不安な日々を過ごしたことを覚えています。2年後にようやく引っ越しの目処が立った私は、オートロック付きでセキュリティがばっちりなマンションを引っ越し先に選びました。
著者/月野 結
イラスト/sawawa
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