温泉旅行に行くことに
付き合っている彼と、温泉旅行に行くことになった私。
お互いに空いている日にちを確認したあと、彼が「新幹線や宿の予約は全部俺がやっておくから」と言うので、申し訳ないと思いつつもすべてお願いすることにしました。それから数日が経ち、無事に新幹線や宿の予約が取れたことを彼から聞いて、私はほっとした気持ちに。
ところが、彼は「帰りは何時になるかわからないから新幹線は予約してないよ」と言うのです。
段取りがよくないのでは…?
彼曰く「帰りは疲れ具合やその日に寄りたいところが出てくるかもしれないから、新幹線の時間は何時がいいかわからない。だから当日に券を買えばいいよ」とのこと。私は「確かにそうかも」と思いつつも、「もし新幹線が満席だったらどうするんだろう?」という疑問を抱きました。
けれど、きっとなんとかなるだろうと彼の言葉を信じることにしたのですが……当日、帰る時間になって駅で新幹線の予約を取ろうとすると、すべて満席状態だったのです。どうやら、あいにくその日は新幹線が非常に混み合っている日だったよう。
私たちは仕方なく自由席を購入して新幹線に乗り込んだのですが、私は「やっぱり初めから予約しておいたがよかったのでは?」と、彼の段取りの甘さに内心モヤモヤしてしまいました。
彼から意外なひと言が
指定席も自由席も満席で、私たちは新幹線の中で立って過ごすことに。すると……しばらくして彼はこう言ったのです。「1つでも席が空いたら座って」と。
きっと自分自身も疲れていて座りたいはずです。そんな中でも私のことを優先して考えてくれたのだとハッとしました。そして、たしかに段取りは悪かったかもしれないけれど、勝手にモヤついていた自分が恥ずかしくも思えてきて……。
ささいな、何気ないひと言ですが、私にとっては自分をハッとさせる物でもあり、改めて「彼ってこういう人だったよな」と感じたのです。そして、今回の温泉旅行で彼の魅力を改めて実感できた私は、この先も彼と一緒にいられたらいいなと思うようになりました。
私は今でも混み合った新幹線を見たり、新幹線が満員だというニュースを聞いたりするたびに、夫があのとき言ってくれた「自由席が1つでも空いたら座っていいよ」という言葉を思い出します。そして、そんなやさしい夫と結婚できて本当によかったなと実感しています。
著者/nanoka22
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!