サプライズが苦手な彼
サプライズをされることに憧れを抱いていた私。けれど、お付き合いをしている彼は、サプライズをするのがとても苦手な人でした。
例えば、私の誕生日のときのこと。遊園地というサプライズにぴったりな場所にこれから向かうのに、行きの新幹線の中で、「はい!これ」と誕生日プレゼントを渡されたのにはビックリしてしまいました。さらに、交際記念日には、おしゃれなレストランに行く途中の駐車場でプレゼントを渡されたことも。
このように、彼はいつも「え!ここで!?」と思うタイミングでプレゼントを渡してくるのです。もう少しシチュエーションを大事にしてほしいと何度か伝えたものの、サプライズに苦手意識のある彼はそれからも変わらず絶妙なタイミングでプレゼントを渡してきました。
結婚の話が進んで…
サプライズ下手な部分以外は、特に不満もなく彼との関係は順調。お互いの家族にはすでに会っていたこともあり、結婚話はお互いの親から「そろそろしなさい」と言われるほど、とんとん拍子に進んでいきました。
そのため、彼からプロポーズがないまま、入籍日や引っ越しの予定などが決まっていき、「このままではプロポーズをしてもらえないまま結婚することになりそう……」と不安になった私。そこで、彼に「プロポーズは考えてくれてる? 昔から好きな人にプロポーズされるのが夢だったから、私はプロポーズをしてほしいと思っている」と正直に打ち明けました。
すると、「プロポーズはしっかり考えているから待っていてほしい」と言う彼。この言葉に安心した私は、「やっとプロポーズしてもらえる!」と今か今かとそのときを待っていました。
念願のプロポーズ…?
そして、待ちに待ったその日が。なんと、引っ越し先の物件を掃除しに行こうと、彼と一緒に車に乗ったタイミングで「はい、これ買ったよ」と、ポイッと婚約指輪を渡されたのです……。
想像していたプロポーズとはまったく違い、驚きを隠せなかった私。彼らしいといえばそうなのですが、やはりプロポーズはきちんとしてほしいという願望があり、私の理想のシチュエーションを伝えて後日やり直してもらうことにしました。
それから数日後、彼はひざまずきながら「僕と結婚してください」と私の憧れていたプロポーズをしてくれました。サプライズでのプロポーズをずっと望んでいた私でしたが、場所や言葉を指示して理想のプロポーズをしてもらうのもアリだなと感じました。
この一件から、記念日や誕生日などにサプライズを期待することはやめて、私から欲しいものやどんなことをしたいか彼に提案するようになりました。その結果、憧れていた記念日ディナーや旅行などができるようになり、彼との関係がより良い方向に進んだと感じます。サプライズ下手な彼的にも、私から提案されるほうがありがたいらしく、私たちなりのいい記念日の過ごし方を見つけられたなと思っています。
著者/中村さき
イラスト/おみき
ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように!