夫が帰ってくるのは12時過ぎ。3日に1度はお酒を飲んで帰ってきます。ここ最近はずっとこんな調子で、夫の食生活は乱れっぱなし。さすがに心配になってしまいます。
夫の体が心配で…
仕事の付き合いもあるので、多少は仕方がないと理解していますが、このままでは体を壊してしまいます。せめて家で食事をするときは胃を休めてほしいと思い、母から習った栄養バランスの整った和食を作りました。
しかし、食卓を見た夫は舌打ちして「何だよこれ!もっと精のつくもの出せよ!」と、不機嫌に……。みすぼらしいとけなした挙句、料理には手もつけずに捨ててしまったのです。
食べ物を粗末にするなんて、子どもの前で絶対にしてほしくありません。反論しようとしましたが、ふとある考えが浮かびました。そんなに精がつくものが食べたいなら、お望み通り食べさせてあげましょう……。
精のつくものが食べたいのなら…
次の週末、私は大量のスタミナ料理を作りました。スタミナといえばニンニク! さすがにニンニク20玉分のにおいは破壊力抜群だったようで、接待で午前様だった夫も、そのにおいに目を覚ましました。
私は、言われたとおり思いつく限りの「精のつくもの」を準備したことを伝えましたが、夫は「ムリムリムリ……!」と拒否。その上、夫は「二日酔いだから雑炊を作れ」と私に言ってきたのです。
妻失格
精のつくものしか受け付けない夫のために、私はこってりの鶏がらスープで作ったスタミナ雑炊を作りました。もちろんニンニクたっぷり、トッピングはフライドオニオンです。
私が作った雑炊を見て夫は怒りだし「妻失格だ!」と声を荒らげました。そのまま雑炊はシンクに捨てられてしまいます。
料理じょうずな母に育てられた私は、小さいころから「食べ物を粗末にする人は、まわりにいる人間も粗末にするから絶対に関わるな」と教えられてきました。これまであまりしっくりこなかった母の教えが、このときほど納得できたことはありません。
私はこれ以上夫とは一緒にいられないと確信しました。
食べ物のありがたみ
1人になった元夫は、外食三昧で体重は増加。毎日の外食にさすがに飽きたようで、ヘルシーがウリのレストランで寂しそうに食事をしているところを見かけることもありました。今になって、誰かが食事を作ってくれるありがたさがようやくわかったことでしょう。
毎日誰かの手料理が食べられることは、当たり前ではありません。限られた予算の中で食材を選び、バランスを考えてメニューを作り、手間ひまかけて調理し、後片付けをする……料理は見えないところでたくさんの手間と時間がかかっているのです。
そう考えると、すべてに感謝しながら味わいたいですね。