浮気相手と私の名前は全然違ったので、なぜ誤爆したのだろう……と考えていると、義母から連絡が。「うちの息子から変なメッセージが来なかったかしら?」という義母は、何かを知っているようで――?
義母の作戦
「実は、息子のスマホに細工しておいたのよ」と話をはじめた義母。出張用のトランクを借りに夫が義実家へ帰った時に、義母は夫のスマホにやたら通知が来ていることに気付いたそう。
不審に思った義母がこっそりメッセージを確認してみると、私以外の女性の名前が!
やりとりを確認してみると、真っ黒だったそうです。義母は証拠になりそうなものを自分のスマホで撮影してくれたそう。しかし、母親として情けないやら悲しいやらで、気付いたときには夫のスマホで浮気相手の連絡先をブロックしてしまっていたそうです。
「かといってブロック解除するのもなんだか悔しいじゃない?だから私、不倫相手の連絡先をあなたに変えておいたのよ!ついでに、あなたの連絡先を不倫相手のものに変えておいたわ」
アカウントの写真までもしっかり変更していた義母。かなりの策士です……。
「ごめんなさいね、びっくりさせる前に伝えたかったんだけど……」「怒りがしばらくおさまらなくて、冷静になるのを待っていたらこんな時間になっちゃったの」と謝る義母。
「確かに驚きましたけど……お義母さんのおかげで浮気に気付けましたから」「むしろ楽しくなってきちゃいました」と言うと、義母は安心したようでした。その後すぐ、義母は夫のスマホにあった浮気の証拠写真を送ってくれたので、私は夫のいない間に着々と離婚に向けて準備を進めることができたのです。
夫に種明かし
4日後――。
相変わらず浮気相手のフリをして、夫とメッセージのやり取りを続けていた私。いわゆるおじさん構文で、ハートマークたっぷりの夫からのメッセージは、正直きつかったです……。
でも、それも今日で終わり。夫が出張先から戻ってくるこの日に向けて、私は浮気の証拠集めを進めていたのですから。
「俺、ババァとは離婚して君と再婚するからね♡」
「じゃあさっそく、嫁に離婚しようって伝えてくるわw」
「黙れよ、ジジィが!」
「え?」
ようやく種明かしをした私。夫はパニックになったようですが、「浮気を隠したまま離婚しようと思ってたのに……」と言い出しました。どうやら慰謝料や子どもの養育費を払いたくなかった様子。
ついには「慰謝料でも養育費でも払ってやるよ!筋を通せば問題ないだろ!」と逆ギレする始末。筋を通すと言うなら、私と離婚してから別の女性と付き合えばいいのに……と思ってしまいました。
「お前とは別れたかったからちょうどいいな!親にも若くてきれいな嫁ができるぞって報告しないと」と言い出した夫。義両親は浮気した夫に対しカンカンなのですが、あえてそのことは黙っておきました。
会社にバラしたのは…
翌日――。
夫から「お前、会社にバラしただろ!?」とものすごい剣幕で電話がかかってきました。しかし、私は夫の会社に対してはとくに何もしていません。夫は出社するなり会議室に呼ばれ、上司からものすごく怒られたそうです。
「私よ」
私に代わって答えたのは、私の荷物をまとめる手伝いをしてくれていた義母でした。
義母は夫の浮気相手が会社の後輩であることを特定し、夫の会社に「うちの息子夫婦をぶち壊す女はどこの誰ですか?」と電話をかけたそう。義母は夫のスマホに細工をしたことも話していました。
「母さんが全部やっただなんて……」
義両親が私の味方であることにようやく気付いた夫。普通の親ならば、不義を働いた息子を許すことはないでしょう。
その後――。
私と夫は離婚。義両親を交えた話し合いの中で、慰謝料と養育費の支払いに関する書類にもしっかりサインしてもらいました。元夫は左遷され、浮気相手とは喧嘩別れ。今は広い家に1人寂しく暮らしているようです。
私の実家が遠く、子どもたちが義両親になついていることもあって、私たちは住むところや仕事など、私の環境が落ち着くまで義両親の家にお世話になることに。「うちを使ってちょうだい」という義両親の言葉に甘えさせてもらい、サポートを受けつつ、私はフルタイムの仕事への復帰を目指して勉強中です。義両親には感謝してもしきれません。しっかりと恩返ししていきたいなと思っています。