協力すれば大丈夫!?
長男と長女が小学生になり、アパートも手狭になってきたので家の購入を検討しだしました。長男である夫は「いつか両親と同居するなら、父が定年退職する前で、元気で楽しい思い出も作れる今のうちに同居しよう」と2世帯で住める家を探すことに。
新築の二世帯住宅は予算的に難しかったため、中古物件を探しました。義両親も一緒に家を内見し、ちょうど2世帯でも十分な広さがあり、住みやすそうな家を不動産屋に紹介してもらうことができました。
ただ、広さがある分、固定資産税がやや高めだったので私はちゅうちょしていたのです。しかし、義父がその家を気に入り、義母も「お父さんもまだ働くし、お金は協力するから、どうにかなるでしょう」と言うので、購入することにしました。
住み始めてみると…
その後、夫と義父の名義でローンを組み、二世帯住宅を購入。義母と私は始めのうちに生活費のことを2人で話し合いました。すると、義母から「2人でこれだけ出すから」と言われた金額は食費だけ。家のローンと光熱費は夫の口座からの引き落としだったため、そこを折半という話は出てきませんでした。
しかし、実際に同居生活が始まると、光熱費のかかり方が私たち世帯だけのときとまったく違ったのです。同居し始めて8カ月で次女を出産し、産休・育休に入った私は収入が減り、夫も転職して手取りが少なくなっていました。
その状況を知ったうえでも義母はお構いなしで、光熱費は変わらず使い放題。さらに、同居後、義父に病気がわかり入退院を繰り返すことになると「今月はお父さんが入院していたから1人分ね」と生活費を減らされることに。義母には何度か生活費の相談をしましたが、そこを補填してくれることはありませんでした。
それから3年の同居生活を経て、夫は義両親に「お金の問題だけでなく、価値観の違い、両親の勝手さにもう限界だ」と話し、別居することになったのです。義両親はもともと住んでいた実家を残していたため、そこに戻りました。
家を購入する前にはお金のことも「協力するから大丈夫!」と私を安心させた義母。フタを開けると、「家にかかるお金は息子(夫)が払うもので、自分たちは払わない」という考えでした。夫は、自分の家族を守るために義両親に話をしてくれました。今では夫と2人で自営業を始め、家のローン完済に向け協力しています。
イラスト/ミロチ
著者:松田みさと
長男と次男が15歳差の2男2女の母。仕事をしながら子育てに奮闘中。現在はライターとして、自身の体験をもとに妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。