披露宴が始まる少し前、受付から騒がしい声が聞こえてきました。様子を見にいくと、職場の先輩・マリエが受付で揉めています。
招待していないゲスト
マリエは常識知らずで仕事もできません。でも文句を言うことだけは一丁前。さらにお金にも汚く、ランチに行っても財布を忘れたと言って後輩に奢らせます。飲み会では家で子どもが待っているからと持ち帰り用の容器を持参し、まだ食事をしているというのに、根こそぎ食べ物を持って帰ってしまうのです。
本当は招待したくなかったのですが、同僚を全員呼ぶのにマリエだけ呼ばないわけにはいきません。しぶしぶとはいえ、声をかけたことを深く後悔しました。
マリエはなぜか家族全員を引き連れ「ビュッフェだから何人いても変わらないでしょ」と言い張ります。受付の友人が断り続けていると、マリエはしびれを切らし、夫と子どもたちに「行けっ!」と強行突破を指示したのです。
キレた夫は…
さすがに止めに入らないとマズイと思った矢先、夫は「好きにさせておけばいいよ」と私を止めます。おおらかなのか、何か考えがあるのか……。
モヤモヤしながらも披露宴がスタート。マリエは「食べ放題だからね!」と恥じらいもなく声をかけ、家族は他の招待客のことはお構いなし。まるでフードファイトのような食べっぷりを見せます。
そこに、夫が静かに歩み寄りました。
「ご家族が無銭飲食されているようですが?」言い方はやさしいけれど、目は完全に怒っています。無銭飲食なんて大げさだとマリエは言い返しますが、招待客のために用意している食事なので、招待していない人は無銭飲食になると夫も反論しました。
そのやり取りを聞いてザワつく会場内。マリエは黙ってしまいました。
よくぞやってくれた!
どうやらマリエは披露宴に呼ばれるたびに同じことを繰り返しているそう。被害にあった同僚からも、冷たい目で見られていました。
いいかげん懲らしめておかないと、次も同じことをするかもしれません。夫は、マリエに夫と子ども3人分の飲食費を請求することにしました。ケチと思われても構いません。子どもたちには“やってはいけないこと”をきちんと理解してほしいのです。
マリエは気まずそうに会場を後にし、披露宴は滞りなくおひらきに。最後の送賓では、マリエの振る舞いにウンザリしていた同僚から「よくぞやってくれた!」という声をいただきました。マリエには、二度と同じことを繰り返さないでほしいと願うばかりです。
いくらビュッフェだといっても、招待客の人数に合わせて、ロスが出ないように計算されて料理が提供されるはずです。ましてや同僚の晴れの席、自分たちのおこないがいかに非常識だったか、反省してほしいですね。