そもそもコラーゲンとは?
体のもとをつくるたんぱく質の一種
コラーゲンというと、ぷるぷるとしたゼラチン状の物質が思い浮かびます。そもそもどんな成分なのでしょうか。
「コラーゲンは、人の体を構成するたんぱく質の一種です。たんぱく質全体の約30%を占めているといわれています。
コラーゲンは肌のハリや弾力を保つ成分として有名ですが、皮膚の約70%をコラーゲンが占めています。皮膚の真皮にあるコラーゲン分子は、アミノ酸がつながってできた『三重らせん構造』をしていて、肌にハリと弾力を与えています」(黒田先生)。
しかし、コラーゲンは皮膚だけにあるものではないと黒田先生は言います。
「コラーゲンは全身の臓器に関わっています。皮膚以外にも
・ 髪
・ 骨
・ 軟骨
・ 歯茎・歯
・ 爪
・ 目
・ 腎臓や肝臓など臓器全般
・ 脳
などを構成しています。この中でも皮膚と髪、軟骨に多く含まれるので注目されやすいのですが、コラーゲンは体全体の健康を保つために欠かせない成分です」(黒田先生)。
コラーゲンはなぜ減る?
コラーゲンは加齢とともに減る、ということは何となくわかるものの、どうして減ってしまうのでしょうか。
1.加齢による細胞の衰え
「コラーゲンは体内で合成されているのですが、加齢とともに細胞の数が減ったり、細胞の働きが衰えたりすると合成力が落ちてしまいます」。
2.女性ホルモンの減少
「コラーゲンは合成されるときにビタミンCや鉄分などいろいろな成分を材料にするのですが、女性ホルモンも使われます。閉経に向けて女性ホルモンは減るため、コラーゲンの合成力も落ちていきます。コラーゲンは30代前半をピークに減少するといわれています」。
3.光老化
「紫外線の影響もあります。長い年月にわたって紫外線に皮膚や髪がさらされていると、コラーゲンが減少することがわかっています」。
減るままに放置するとどうなる?
体の老化を加速させることも!
30代前半をピークに減り続けるというコラーゲン。減ったままにすると体にどんな影響が出るのでしょうか。
「肌や髪だけでなく、体全体に影響がありますね。一例を挙げると……
●皮膚・肌
肌の潤いがなくなり、ハリや弾力が失われ、シワなどの原因になります。そのような状態の肌が紫外線対策をしないまま浴び続ければ、シミやソバカスが増える原因になります。
●爪
コラーゲンは健康的なピンク色の爪のためには欠かせません。爪の根元はコラーゲンの保湿効果で乾燥を防ぎながら新陳代謝を促進します。コラーゲンが不足した爪は、割れる・欠けるなどの影響が出てきます。また、縦に筋が入った爪もコラーゲン不足が原因だと言われています。
●骨・軟骨・関節
コラーゲンの減少は骨の強度や骨密度に影響を及ぼしているといわれています。閉経後、女性ホルモンの減少で加速する骨粗しょう症にもコラーゲン不足が関係しています。関節の滑らかさにも関係しているため、コラーゲン不足は関節痛の原因となります。
●血管
血管の主成分もコラーゲンです。コラーゲンにより血管の弾力性を保っているため、不足すると動脈硬化の原因にもなります。また、コラーゲンには血管を修復させる機能もあります。不足すると修復機能が衰えて血管がもろくなり、脳卒中も引き起こしやすくなります。
●脳
脳もコラーゲンが成分となっているため、不足すると認知機能などさまざまな弊害が起きます。物忘れは典型例ですね。
コラーゲンが不足すると以上のような老化・不調が表れやすくなります。コラーゲンは美容面だけでなく健康面でもとても重要な働きをしているのです」(黒田先生)。
まとめ
40歳を過ぎるころから年々ひどくなっている物忘れ。老化と諦めていましたが、まさかのコラーゲン不足も原因とは。美肌についても諦めかけていた私ですが、物忘れや認知機能の低下は周囲に迷惑がかかるのでこれ以上の悪化はできるだけ防ぎたいところ。コラーゲン不足を放置していては危険、ということがわかりました。
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※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
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取材・文/mido
ライター歴25年。35歳で第1子、38歳で第2子出産。最近、たるみが加速して二重顎が悪化。身長153㎝なのにLサイズの服が少しきつくなってきて……人生最後のダイエットを計画中。