体の痛みが気になる母が検査を受けた結果
母が骨粗しょう症を患っていることが判明したのは、骨折などの症状ではなく、腰から背中にかけて重苦しく感じたことがきっかけで検査を受けました。筋肉に異変が起きていると思い込んでいた母は、自分が骨粗しょう症を患っていたとわかってショックを受けていました。骨の状態は想像していたよりも悪かったようで、軽い衝撃を受けるだけで骨折する可能性があると医師に言われて、骨粗しょう症の母を介護する日々が始まったのです。
床に落ちている物を拾うだけでも大変に
全身の骨が弱っていることがわかった母は、体を動かすことを怖がってベッドの上で寝たまま過ごす時間が増えていました。骨密度を上げるには軽い運動をしたほうが良いと母に伝えても、「運動中に骨が折れそうで不安だ」と怖がってしまい、説得するのがとても大変でした。
ある日、床に落ちている物を拾おうとかかんだ際に背中からの異音を察知した母は、さらに運動することに対しての恐怖心が募っていったようです。このままでは運動療法を始めるのも難しいと考えて、医師に相談することに。そこで教えてもらったのが、寝たままおこなえる運動です。うつ伏せに寝た状態でクッションをおなかのあたりに置いて、背筋の力だけで胸を持ち上げる背筋運動なら、ベッドに寝たままでも骨と筋肉を鍛えられて母にも合っていると感じました。
母のために家をリフォーム
運動療法を続けていくうちに、母の骨量と筋量は少しずつ改善されていきましたが、骨折を怖がってベッドから出たがらない状態は変わりませんでした。母が安心できるように何かしてあげられることはないか、家族と話し合ってるときに考えた対策が自宅のリフォームです。
床のバリアフリー化に加えて、廊下や部屋に手すりを取り付けることで、転倒を心配せずに自宅の中を歩き回れます。リフォームを済ませてからは母も部屋から出ることが増えてきて、ストレッチなどの運動も始めるようになりました。手すりがあることで安心感が高まったようでした。
まとめ
私の母の場合、骨粗しょう症は骨だけではなく心も弱る病気だと感じました。母に安心感を与えるために、もっと早い段階でバリアフリー化や手すりの設置などのリフォームをおこなっておけば、母に不安な日々を過ごさせずに済んだと感じています。
※記事の内容は公開当時の情報であり、現在と異なる場合があります。記事の内容は個人の感想です。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
文/秋山一穂
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