久々に後輩が連絡してきた理由は…
長女を妊娠して仕事を辞めたとき、高校時代の部活の後輩・Aから久しぶりに連絡がきました。Aは私が高校を卒業してからもたまに連絡をくれ、2年に1回ほど会うような関係でした。
そして2週間後、わが家へ遊びに来たA。私たちは高校時代の思い出や、私の妊娠について和気あいあいと話していました。
そんな中、Aが「先輩、妊娠中ってマタニティブルー(※)になるって本当ですか?」と聞いてきたので、「どうなんだろ。初めてのことだから心配にはなるけど、今のところ私はブルーってほどではないかな。でも、この先どうなるんだろうね~」と答えた私。
(※)「マタニティブルー」は一般的に妊娠中の気分の落ち込みや不安症を指すことがありますが、医学用語ではありません。正式名称である「マタニティブルーズ」は、出産後の女性の30〜50%が経験する一過性の抑うつ状態のこと。産後数日から2週間程度のうちにちょっとした精神症状が出現します。
すると、「ちょっと待っていてください」と外へ出て車に何かを取りに行ったA。戻って来たAは段ボールを1箱持ってきていました。
「それ何?」と私がのんきに聞くと、「この水めっちゃいいんです! 私、仕事でしんどくなって休職しているときに知り合いにすすめられたんですけど……」と語りだすA。
これだけ聞いて私は、「水をすすめたくて久々に連絡してきたんだな」と残念に思いました。
まだAの話は続き、「私はこの水を飲んでから少しずつ前向きになってきて。だから、もし先輩がマタニティブルーになっていたら、絶対おすすめだと思って。今はまだ大丈夫でも、念のためどうですか? 私の紹介だとお得なんです!」とすすめてきます。
「心配してくれてありがとうね。そんな水があるんだね。でも今は本当に元気だから大丈夫! あ、そういえばね――」と私が半ば強引に話題を変えると、Aもそれ以上は水の話をせずに、持って帰っていきました。
それからもAから連絡がありましたが、それとなく理由をつけ会っていません。後々わかった話ですが、高校時代の他の友人にも水をすすめていたそうです。買った人はいないようですが……。
Aは本気で私のためを思ってすすめてくれたのかもしれませんが、正直ショックでした。やさしくて素直な子なので、水がなくても前向きになってくれていたらいいなと願っています。
著者:石井ゆうき/9歳と2歳の姉妹を持つママ。秘書として時短勤務。お金にまつわることに興味があり、FP2級の資格を取得。家計管理・資産運用に生かしている。
作画:ぐら子
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年2月)