ナプキンのズレを防ぐために
私が初潮を迎えたのは中学1年生の秋、大阪万博が開催された1970年です。当時の私はどちらかというとスリム体型で、生理がやってくるのはまだ先のことだと思っていました。そのため、トイレでショーツが汚れていることに気づいたときは、非常に動揺しました。その日は母には伝えず、翌日もショーツにシミがついていたため、初潮を迎えて1日経ってから母に相談した記憶があります。
唐突に初潮がきたため必要な準備ができておらず、最初はトイレットペーパーを折りたたんで対応していました。翌日、母に相談すると、母がサニタリーショーツ(当時は生理バンドと呼ばれていました)とナプキンを用意してくれ、ナプキンの使い方を教えてくれたのですが……その方法は「デリケートゾーンにナプキンを密着させてからショーツで押さえる」というものでした。
当時のナプキンは裏面にテープが付いていておらず、今で言う「羽」もなかったので、まずナプキンをデリケートゾーンにしっかりと密着させないと、だんだんとズレてきてしまうのです。母に教えてもらってから、ずっとその方法でナプキンを使用していました。
テープ付きナプキンが登場しても…
そんな私がテープ付きナプキンの存在を知ったのは、社会人になってからでした。それまでのナプキンはズレやすかったのですが、裏面にテープがついたことでズレにくくなり、感動したのを覚えています。しかし、デリケートゾーンにナプキンを密着させる方法に慣れていた私は、テープ付きのナプキンを使用するようになっても、同じ方法でナプキンをつけていました。
その後、羽付きタイプのナプキンなども発売されましたが、デリケートゾーンにつけてからショーツで押さえる方法をとっていた私にとって、使い慣れることができず……。のちのち、ショーツにナプキンをつけてから使うという方法を知ってから羽の便利さにも気づいたのですが、結局、56歳で閉経するまで、羽付きナプキンを使用することはありませんでした。
私は12歳で初潮が始まり、56歳で閉経するまで、44年の生理生活を送ってきました。その間に生理用ナプキンも進化しましたが、私はナプキンの新しい機能について理解せず、自己流で使い続けていました。漠然と使うだけでなく、正しい使い方を勉強すればよかったと今更ながら思います。
もう生理用ナプキンを使うことはありませんが、今後尿漏れパッドなどを使う機会があれば、自己流にこだわるのではなく正しい使い方を学び、より快適に過ごせるよう時代に適応していきたいと考えています。
著者/小沢翔子
イラスト/ののぱ
監修/助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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