こんにちは。離乳食インストラクターの中田 馨です。離乳食の進め方は、月齢によって目安があります。今日は、そのなかでも「1歳~1歳6カ月ごろ(離乳食完了期)」についてお話ししたいと思います。
1歳~1歳6カ月ごろ(離乳食完了期)
1歳~1歳6カ月ごろは「離乳食完了期」とも呼ばれることがあります。では、「完了期」とは、どういう意味なのでしょうか?「離乳食を完了するから大人と同じ食事が食べられるようになるの?」と思ってしまうかもしれませんが、実はそうではありません。
1歳~1歳6カ月ごろ(離乳食完了期)は、あくまで「離乳を完了する」という意味で、離乳(母乳やミルク)を完了し、食事で栄養のほとんどを摂れるようになる時期ということ。大人と同じ食事ができるようになる目安ではないのです。
また、「離乳を完了する」と書きましたが、完全に離乳するという意味ではありません。母乳やミルクの力も借りつつ、食事メインの食生活に移行していきます。
どうして大人と同じ食事じゃダメなの?
どうして、まだ大人と同じ食事が食べられないのでしょうか? いくつか理由がありますので、見ていきましょう。
内臓や消化器官が未熟
赤ちゃんの消化器官はまだまだ未熟です。脂っこいものや味付けの濃いものは、胃腸に負担をかけてしまうこともあります。5カ月から離乳食を始めた赤ちゃんは、1歳になったといっても、離乳食を開始してまだ7カ月しか経っていないのですから。メニューによっては、大人のものを取り分けることも徐々にできるようになってきます。煮物だったら、調味料を少しだけ入れて先に取り分けるといいですね。
咀嚼力が未熟
赤ちゃんは咀嚼力が未熟です。1歳〜1歳6カ月ごろの赤ちゃんの食べ物の固さの目安は「バナナくらい」。噛みちぎることもうまくできないので、大人に比べるとまだ固くて大きい食べ物は食べられません。
1歳6カ月以降の食事について
離乳食が完了すると幼児食へと移行になります。幼児食とは離乳食が終わったときから5歳くらいまでの食事のことです。幼児食も離乳食の延長線上です。大人に合わせたメニュー作りではなく、子どもに合わせてあげてくださいね。
食べ物は「早くに食べられるようになること」が良いというわけではありません。赤ちゃんは、自分で食べるものを選ぶことができないので、「赤ちゃんが食べるから大丈夫」ではなく「この食材は食べてもいい物かな?」と、与える前にいったん立ち止まって考えてみましょう。
離乳食は、人生80年の食事の土台を作る時期です。赤ちゃんにとってより良い食事って何だろう? と考えてもらえると、うれしいです!