見知らぬ人の対応に感動して心が温まったエピソードです。
追いつけない! 走る妊婦の私
娘を習い事へ連れて行ったときの話です。習い事先の少し奥まった駐輪場に自転車を停め、ヘルメットを外してカゴに取り付けようと思ったときです。習い事が楽しみで走るのが大好きな娘は1人で走り出してしまいました。
すぐに追いかけますが、当時の私は2人目を妊娠中。人も自転車も多く行き交う歩道、さらにその先は交通量の多い県道です。歩道に出るまでに追いつくことができなさそうという焦りで、私は思わず声に力が入ってしまいました。
歩道を歩いていた若い男性の機転
その声が聞こえたのか、歩道を歩いていたギターを背負った若い男性が歩くスピードを緩め始めました。追いつかない私の代わりに、娘が危なくないよう見守ってくれていたのです。1人で歩道に出てしまいそうだったところ、ギターケースでとおせんぼをして私が追いつくのを待ってくれていました。
お礼を伝えると、お兄さんは娘に向かって話しかけました。
「赤ちゃんにもママにもやさしいお姉ちゃんになってね」
大切であろうギターケースを使ってまで私たち親子を気づかってくれたお兄さんとハイタッチをしている娘を見て、涙ぐむほど私は心が温まりました。
育児と自分の体調管理でいっぱいいっぱいだった2人目妊娠中。子どもと過ごす日々の中で大変なこともありますが、それ以上に人のやさしさに触れ心が温まり、自分も誰かにやさしくしたくなる、そんな気持ちにさせてくれた体験でした。
著者:佐藤マナミ/自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
イラスト:はたこ
※ベビーカレンダーが独自に実施したアンケートで集めた読者様の体験談をもとに記事化しています(回答時期:2024年7月)