主治医の井上先生(仮名)から手術をすすめられ、今後を考えて子宮を全摘出することにした猫野サラさん。入院期間は10日前後になるとのことで、手術はGWに合わせておこなうことに。入院前検査を終えた猫野サラさんは自宅のネコたちに別れを告げ、いよいよ入院生活に移ります。
16.入院受付
入院や手術に必要な物をリストアップし、準備万全で入院初日を迎えた猫野サラさん。自宅にいる愛猫たちに別れを告げ、いよいよ病院へと向かいます。
受付を済ませると、看護師さんから「7階へどうぞ」と案内されました。
17.個室へ
入院初日(手術前日)から手術翌日までは、4人部屋ではなく個室を予約していた猫野サラさん。あとから夫が荷物を持ってきてくれ、初日は荷ほどきや手術の準備をしながら、ゆっくり過ごすことに。
そんなとき、「2週間ほど入院する」と言っていたお母さんから突然「退院しました!」との連絡が。まさかの1週間前倒しでの退院に、猫野サラさんは思わずびっくりしたそうです。
18.母の愛
まだまだ病み上がりなのに「明日会いに行きます」と言い出したお母さん。なんと、もう新幹線のチケットを買ってしまったとのこと。なかなかにパワフルで行動力のあるお母さんですね。いくつになっても、わが子はかわいいものなのかもしれません。そんなお母さんの気持ちを汲んで、夫は「お義母さんを車で迎えに行くよ」と提案してくれました。
夫が帰宅したあと、看護師さんがやってきて「明日の手術のために剃毛をさせてほしい」と声をかけてきました。
19.剃毛・手術セット
※水差し…水飲み・吸い飲みとも呼ばれます
※受け皿…医療現場ではガーグルベースンと呼ばれています
今回、猫野サラさんが受けるのは、へそ下から恥骨までを縦に切る「下腹部正中切開」という開腹術。そのため、おへその下から恥骨の上までの剃毛が必要になるようです。
看護師さんから「おへそがきれいですね」と褒められた猫野サラさん。実は他の方の体験談ブログを読んで、前もって自宅でおへその掃除をしていたのだとか。たしかに、もしおへその中がかなり汚れていたら、看護師さんに掃除されるのはちょっと恥ずかしいかもしれませんね。
20.麻酔の説明
その後、猫野サラさんは看護師さんから「手術は明日の午後1時からです」との説明を受け、病院からのアンケートを受け取ります。
少し経ってから麻酔科の担当医が現れましたが、猫野サラさんいわく、彼はとてもイケメンでさわやかな印象だったとのこと。紙芝居形式で、手術開始とともにまずは硬膜外麻酔を投与し、全身麻酔をかけながら手術をおこない、術後は再び硬膜外麻酔に切り替わる旨を説明してくれたそうです。
硬膜外麻酔のメリットは、術中から術後まで持続して鎮痛剤の投与が可能(持続注入法と呼ばれます)なことと、カテーテルの先端の位置によって麻酔を効かせる範囲を限定できる点、そして意識を保ちながら鎮痛を図れる点だと言われています。
猫野サラさんのような、子宮筋腫による子宮全摘術のケースに限らず、術後痛が強く予想される開胸手術や開腹手術、下肢の人工関節置換術などで、持続注入法が選択されます。また、硬膜外無痛分娩や、帝王切開術で脊髄くも膜下麻酔と併用することも。つまり、硬膜外麻酔とは、今回のような腹部の手術以外にも、開胸手術や無痛分娩でも用いられる方法です。
紙芝居形式だとイラスト付きで説明してもらえるので、硬膜外麻酔をどこに打つかなど、イメージがしやすそうですよね。今回、人生で初めて手術を受けることとなった猫野サラさんですが、麻酔科の先生の説明を受けて「全面的にお任せします」と納得できたそうです。
※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。
監修/助産師 松田玲子
医療短期大学専攻科(助産学専攻)卒業後、大学附属病院NICU・産婦人科病棟勤務。 大学附属病院で助産師をしながら、私立大学大学院医療看護学研究科修士課程修了。その後、私立大学看護学部母性看護学助教を経て、現在ベビーカレンダー、ムーンカレンダーで医療系の記事執筆・監修に携わる。
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